神式の葬儀(神葬祭)の喪主|仏式との違いと作法

神式の葬儀(神葬祭)で喪主がすることと仏式との違いを解説する記事のアイキャッチ

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家が神道で、神式の葬儀の喪主を務めることになった時、『仏式しか知らないけれど、何が違うの?』と不安になる方も多いはずです。

結論から言うと、神式でも遺族の代表は「喪主」で、役目の中心は仏式と同じです。変わるのは、呼び方と作法、それに葬儀のあとの節目の数え方なんです。

この記事を読めば、仏式と違う所だけを押さえて、神式の葬儀に落ち着いて臨めます。

目次

神式でも、遺族の代表は「喪主」です

先に結論

神式の葬儀を神道では神葬祭と呼びます。葬儀を司るのは神職(斎主)で、遺族の代表はこれまでどおり喪主です。弔問を受け、遺族を代表してあいさつをする役目は仏式と変わりません。

『神式だと、喪主の呼び方も変わるの?』と気になりますよね。実は、遺族の代表は神式でも喪主と呼ぶんです。

全互協(全日本冠婚葬祭互助協会)は、神式では関係のある氏神の神職に斎主(さいしゅ)をお願いすると説明しています。斎主は、仏式でお経をあげてもらう僧侶にあたる立場と考えると分かりやすいです。

また、一般的に神社では葬儀を行わず、自宅や斎場に斎主に来てもらう形になる、とも書かれています。

立場神式での呼び方仏式でいうと
葬儀を司る人斎主(神職)僧侶
遺族の代表喪主喪主
葬儀そのもの神葬祭葬儀・告別式
故人の御霊を遷すもの霊璽(れいじ)位牌

喪主という役目の全体像は、喪主とは?意味と役割 で紹介しています。

神式の喪主が、最初にすること

神社本庁は、身内が亡くなったら、喪主はまず神棚にそのことを奉告する、と説明しています。そのあと、多くの場合は神棚の前に白い半紙を貼るなどして、神棚のおまつりを一時やめます。

ここは仏式にはない、神式ならではの最初の一歩ですね。やり方に迷ったら、お願いする神職にたずねてみてください。

神式の葬儀の喪主は、誰がなる?

『神道の家だと、喪主の決め方も違うの?』と思うかもしれません。でも、決め方の考え方は仏式と変わりません。

喪主は法律で決まった役職ではないので、故人とつながりの深い人を家族で話し合って決めます。神棚のおまつりを普段していた人が務めると、神職とのやりとりもスムーズですよ。

仏式と神式で、喪主のすることが変わる所

この章の要点

神式の喪主が戸惑いやすいのは「焼香が玉串奉奠になる」「位牌が霊璽になる」「四十九日が五十日祭になる」の3つです。違う所だけを覚えておけば、あとは葬儀社と斎主が案内してくれます。

全部を覚えようとすると大変ですよね。でも、喪主が知っておきたい違いは、実はそれほど多くないんです。

下の表は、仏式と神式で変わる所だけを並べたものです。変わらない所(弔問を受ける、あいさつをする、葬儀社と打ち合わせる)は省いています。

仏式と神式で、喪主のすること・呼び方・作法が変わる所だけを並べた対照表の図解
場面仏式神式
亡くなった直後枕飾り(香炉・燭台・花立て)神棚に奉告し、枕飾りは洗米・塩・水などと榊
通夜通夜通夜祭・遷霊祭
葬儀葬儀・告別式葬場祭(告別式)
拝礼焼香玉串奉奠(たまぐしほうてん)
故人をまつるもの位牌霊璽
帰宅した時清めの塩(宗派による)神職による祓除の儀
会食通夜振る舞い・精進落とし直会(なおらい)など
忌明け四十九日五十日祭
香典の表書き御仏前・御霊前など御玉串料・御榊料など

全互協によると、神式では家に入る前に神職が祓除(ばつじょ)の儀を行います。全葬連(全日本葬祭業協同組合連合会)は、神式では仏式の精進落としのかわりに直会を振る舞うことがある、と説明しています。

枕飾りや霊璽は、葬儀社が整えてくれます

全互協によると、神式の枕飾りは、白木の台に洗米や塩、水、故人の好物などを供え、両脇に榊を飾ります。

霊璽は、仏式の位牌にあたるもので、故人の名前と生年月日を書き入れます。男性は「○○之命」、女性は「○○姫命」などと書き、裏には亡くなった日と享年が記されます。

「名前の書き方まで喪主が考えるの?」と心配しなくて大丈夫です。書き方は神職と相談しながら決めていけます。

神葬祭の流れと、喪主の出番

先に結論

神葬祭は、通夜祭、遷霊祭、葬場祭、火葬祭と、いくつもの「おまつり」が続きます。名前は多いですが、喪主が中心になるのは、通夜祭と葬場祭でのあいさつと拝礼です。

神社本庁は、神葬祭の一般的な流れを紹介しています。地方によって少し違うこともある、とした上での例です。

神葬祭の流れを、帰幽報告から五十日祭までの順に並べ、喪主の出番を示した図解
神葬祭の主な流れ
  1. 帰幽(きゆう)報告:亡くなったことを氏神さまや神棚に報告する
  2. 納棺の儀:遺体を棺に納める
  3. 通夜祭:夜を通して故人の御霊を慰める
  4. 遷霊祭:故人の御霊を霊璽に遷す
  5. 発柩祭:出棺の時のおまつり
  6. 葬場祭:故人に最後の別れをする、告別式にあたるおまつり
  7. 火葬祭・帰家祭:火葬し、葬儀が終わったことを霊前に報告する

『こんなにたくさん、喪主が全部仕切るの?』と驚きますよね。実際には、進行は斎主と葬儀社が案内してくれます。

喪主は、通夜祭と葬場祭で会葬者へのお礼を述べ、玉串奉奠では案内に合わせて拝礼します。順番は斎主や葬儀社が教えてくれるので、心配いりません。

葬儀全体の流れを仏式で確かめたい時は、喪主から見た葬儀の流れ と見くらべると違いがつかみやすいですよ。

通夜祭と遷霊祭の夜、喪主がすること

神式の通夜では、通夜祭に続いて遷霊祭が行われることがあります。遷霊祭は、故人の御霊を霊璽に遷すおまつりで、神社本庁はこれを白木の「みしるし」と説明しています。

喪主は、斎主の案内に合わせて拝礼し、通夜祭のあとに弔問の方へお礼を伝えます。そのあとの会食は、仏式の通夜振る舞いと同じように、喪主のひと言で締めくくると区切りがつきやすいですよ。

神式の喪主のあいさつは、言葉選びに気をつけて

あいさつの組み立ては仏式と同じで、会葬へのお礼、生前のお付き合いへの感謝、今後のお願いが中心です。

ただ、全互協は「冥福」「成仏」「供養」といった言葉は仏教の言葉で、神式では使わないと説明しています。

「本日はお忙しい中、父の葬場祭にご会葬いただき、誠にありがとうございました。生前のご厚情に、心より御礼申し上げます」

仏教の言葉を避けるだけで、ぐっと神式らしいあいさつになります。例文は 喪主の挨拶の例文 も参考にしてみてください。

喪主が知っておきたい神式の作法

先に結論

神式の作法で喪主が戸惑いやすいのは、手水の儀と玉串奉奠です。玉串の用意がない時は、二礼・二拍手・一礼で拝礼します。拍手は一年祭までは音を立てない「しのび手」にします。

『作法を間違えたら恥ずかしい』と緊張する方もいますよね。ただ、神職や葬儀社がその場で案内してくれるので、流れを知っておくだけで十分なんです。

神式の葬儀で喪主が確かめておくこと
  • 手水の儀:ひしゃくの水で左手、右手を洗い、左手で口をすすぎ、半紙で手を拭く
  • 玉串奉奠:焼香のかわりに行う。用意がない時は二礼・二拍手・一礼
  • しのび手:一年祭までは、拍手の音を立てない
  • 言葉:冥福・成仏・供養など仏教の言葉は使わない
  • 霊璽:仏式の位牌にあたる。故人の名前と生年月日を書き入れる

全互協は、手水の儀は最近では省略されることも多くなっていると説明しています。式場でどうするかは、葬儀社に聞いておきましょう。

仏式の感覚のまま進めやすい所

帰宅した時の清めの塩や、通夜振る舞いという呼び方など、仏式の習慣をそのまま持ち込みやすいです。迷ったら「神式ではどうしますか」と葬儀社や斎主に聞くのがいちばん確かです。

神式の段取りに慣れた葬儀社に早めに相談しておくと、斎主への依頼や式場の準備も慌てずに進められます。

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弔問の方から包みを受け取った時は

神式では、香典とは言わず、表書きは「御玉串料」「御榊料」などになります。全互協は、水引は銀または白の結び切りを使うと説明しています。

香典返しをする時も、水引は銀色か白にし、黒白のものは使いません。返礼品の手配をお願いする時に「神式です」と伝えておくと、掛け紙を間違えずにすみます。

葬儀のあと、五十日祭と年祭

先に結論

神式では、仏式の四十九日にあたる節目が五十日祭です。神社本庁によると、特に慣例がない場合、五十日祭までが「忌」、一年祭までが「服」の期間とするのが一般的です。

葬儀が終わったあとも、『次は何をすればいいの?』と気になりますよね。神式の節目は、仏式とは数え方が少し違うんです。

節目いつ行うこと
霊前祭葬場祭の翌日から故人の霊を慰めるおまつりを行う
五十日祭亡くなってから50日目親族を招き、直会を設けることも
清祓五十日祭のあと家中を祓い、神棚のおまつりを再開する
百日祭亡くなってから100日目人を招いて営むことがある
年祭満1年、3年、5年、10年、以降10年ごと仏式の年忌法要にあたる
まつりあげ亡くなってから50年目故人のおまつりを終える

神社本庁は、忌の期間は神社への参拝を控えると説明しています。香典返しも、全互協によると神式では五十日祭のあとに贈り、表書きは「志」とします。

忌の期間は、どう過ごす?

忌の期間は、神社への参拝だけでなく、家庭での神棚のおまつりも控えます。神社本庁は、50日を過ぎれば、神社の参拝や家庭でのおまつりを再開して差し支えないと考えられる、と説明しています。

『どうしても神社に行く用事がある』という時もありますよね。その場合は、お祓いを受けてから参拝するのがよい、とされています。

法事の進め方を仏式と比べたい時は、法事の喪主は誰?施主の役割 も読んでみてください。

よくある相談:神式の葬儀で迷うこと

この章の要点

知恵袋などでは「神道でもお葬式はあるのか」「神式の告別式はどう進むのか」「斎主へのお礼は誰がどう決めるのか」という相談が見られます。

神道でのお葬式って、そもそもあるの?

仏式やキリスト教式しか経験がなく、神道のお葬式を知らない、という相談です。

あります。神社本庁は、神道式で行うお葬式を神葬祭と呼び、日本固有の葬儀を土台に整えられた葬儀式だと説明しています。

神式の告別式は、どう進むの?

神式で告別式にあたるのが葬場祭です。神社本庁は、故人に最後の別れをするおまつりだと説明しています。

細かな式次第は地域や神社で違うので、斎主と葬儀社に事前に流れを聞いておくと安心です。

斎主へのお礼は、誰がどう決めるの?

斎主へのお礼をどう決めるのか分からない、という相談も見られます。金額の決まりはなく、地域やお付き合いで違います。

迷った時は、葬儀社に地域の考え方を聞いてみてください。お願いする神職に、やわらかく相談してみる方法もあります。

一年祭は、どう進めればいい?

一年祭の式次第が分からない、という相談も読まれています。一年祭は、亡くなってから満1年に行う年祭で、神社本庁は一年祭までを神葬祭、それ以降を祖霊祭と分けて考えるのが一般的だと説明しています。

式次第は神社や地域で違うので、葬儀をお願いした神職に早めに相談しておきましょう。

よくある質問

神式の葬儀でも喪主と呼びますか?

呼びます。葬儀を司る神職は斎主と呼ばれますが、遺族の代表は神式でも喪主です。

神式の葬儀の喪主は誰がなりますか?

仏式と同じく、故人とつながりの深い人が務めることが多いです。一般的には配偶者、長男、長女、親、兄弟の順が目安とされますが、家族の事情で決めてかまいません。

神式で焼香はしますか?

焼香のかわりに玉串奉奠をします。玉串の用意がない時は、二礼・二拍手・一礼で拝礼します。

神式の香典返しはいつ贈りますか?

即日返しでない場合は、五十日祭のあとに贈ります。表書きは「志」で、水引は銀色か白にします。

神式で四十九日にあたるのはいつですか?

亡くなってから50日目の五十日祭です。そのあと清祓を行い、神棚のおまつりを再開します。

まとめ

この記事の要点
  • 神式でも遺族の代表は喪主。葬儀を司る神職は斎主と呼ぶ
  • 喪主はまず神棚に亡くなったことを奉告する
  • 焼香は玉串奉奠、位牌は霊璽、四十九日は五十日祭に変わる
  • 一年祭までの拍手は、音を立てないしのび手にする
  • 冥福・成仏・供養など仏教の言葉は、あいさつで使わない
喪主ドットコム

喪主ドットコム 編集部

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