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身内を亡くし、気持ちの整理もつかないうちに喪主を任されて、『何から手をつければいいの?』と途方に暮れていませんか。まずは、心よりお悔やみ申し上げます。
結論から言うと、葬儀の流れの中で喪主が自分で決めることは、それほど多くありません。段取りの多くは葬儀社が進めてくれるので、喪主は「その場面で決めること」だけ押さえておけば大丈夫です。
この記事では、亡くなってから葬儀後までの順番を、喪主が決めることに絞って追っていきます。
葬儀の流れで、喪主が決めることはこれだけです
葬儀の流れは「臨終直後」「打ち合わせ」「通夜」「告別式と火葬」「精進落とし」「葬儀後」の6つの場面に分けられます。喪主が決めるのは、各場面で2〜3個ずつです。
葬儀の流れを解説したページを見ると、やることが何十個も並んでいて圧倒されますよね。でも、その多くは葬儀社や世話役が動いてくれることなんです。
ここでは、喪主の流れを「その時、喪主が決めること」だけに絞って並べました。今どの場面にいるかを確かめながら読んでみてください。

| 場面 | 喪主が決めること | 任せてよいこと |
|---|---|---|
| 臨終直後 | 葬儀社をどこにするか/誰に連絡するか | 搬送・安置・枕飾り |
| 打ち合わせ | 宗教・宗派、規模、日取り、場所、世話役 | 式場の手配、死亡届や火葬許可の手続き |
| 通夜 | 挨拶をするか・誰がするか/通夜振る舞いの有無 | 受付、会場の設営、進行 |
| 告別式と火葬 | 出棺の挨拶/火葬場へ行く人 | 式の進行、霊柩車やマイクロバスの手配 |
| 精進落とし | 開くかどうか/献杯の音頭を誰に頼むか | 料理の手配、席の準備 |
| 葬儀後 | 費用の精算方法/お礼に回る先/四十九日の日取り | 書類の整理、香典返しの手配の相談 |
この表を印刷したり、スマホで撮っておいたりすると、打ち合わせの時に「今はここの話だな」と落ち着いて聞けます。
喪主の役目そのものを全体から知りたい方は、喪主の役割とやること一覧 もあわせて読んでみてください。
ここで紹介するのは、全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)などが紹介している仏式の一般的な流れです。地域や宗派で順番や呼び方が違うので、迷ったら葬儀社や菩提寺(お付き合いのあるお寺)に確かめてみてください。
亡くなってから打ち合わせまでの流れ
亡くなった直後に喪主がすることは、葬儀社への連絡と、近親者・お寺への連絡です。喪主が誰かもこの段階で決めます。
病院や施設で亡くなった場合、まず必要になるのは、ご遺体をどこへ運ぶかなんです。葬儀社が決まっていれば、すぐに連絡します。
『葬儀社なんて決めていない』という方も多いはずです。全葬連は、葬儀社が決まっていない時は、病院の紹介やインターネットで探す方法もあると説明しています。
臨終直後に喪主がすること
- 葬儀社に連絡して、搬送と安置をお願いする
- 医師から死亡診断書を受け取る
- 近親者に連絡する(一般的には2親等くらいまで)
- 菩提寺があれば、住職に連絡する
- 家族で喪主を決め、世話役をお願いする人を考える
全葬連は、死亡の連絡は電話が一般的で、早朝や深夜でも一言お詫びをして用件を伝えればよいと説明しています。仕事関係の人には、通夜や葬儀の日程が決まってから連絡すれば十分です。
例えば、こんな伝え方で構いません。
「夜分に申し訳ありません。父が先ほど亡くなりました。通夜と葬儀の日程は、決まり次第またお知らせします」
喪主がまだ決まっていない時は
葬儀の通知は喪主の名前で出すので、全互協は喪主をまず決めると説明しています。一般的には、故人の配偶者、長男、長女、親、兄弟の順で、故人とのつながりが深い人を選びます。
ただ、これは慣習の目安で、法律で決まった順番ではありません。結婚して姓が変わった娘でも喪主になってかまわないとされていますし、未成年の子が務める時は後見人を立てます。
『兄と私、どっちがやるべき?』と迷う時は、葬儀社との打ち合わせに出られる人、弔問を受けられる人、という目線で考えてみてください。決め方の考え方は 喪主の決め方 で紹介しています。
葬儀社との打ち合わせで決めること
安置が済んだら、葬儀社との打ち合わせです。全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)は、決める順番を次のように挙げています。宗教・宗派の確認、規模・日取り・場所、喪主と世話人代表、祭壇、世話役への依頼、費用の把握(見積書を取る)です。
日取りは、僧侶や火葬場の都合、遠方の親族が着くまでの時間を見て決めます。全互協は友引を避けると書いていますが、これも地域の考え方で違います。
- 故人の宗教・宗派と、お付き合いのあるお寺
- 呼びたい人の範囲(家族だけか、知人まで呼ぶか)
- 費用をどこから出すか、誰が窓口になるか
- 遺影に使う写真の候補
- 故人が望んでいたことがあれば、その内容
死亡届と火葬許可は誰が出す?
死亡届は、戸籍法で「死亡の事実を知った日から7日以内」に出すことになっています。届け出る人の順番は同居の親族などで、喪主と決まっているわけではありません。
実際には葬儀社が提出を代行してくれることが多いです。あわせて、市町村長の許可(火葬許可証)も必要になります。
また、墓地埋葬法では、亡くなってから24時間たたないと火葬はできません。日取りを決める時の目安として覚えておくと安心です。
通夜から火葬・骨上げまで、当日の喪主の動き
通夜と告別式の当日、喪主のいちばんの役目は弔問を受けることです。進行は葬儀社や世話役に任せて、喪主は故人のそばにいて、挨拶と焼香に集中しましょう。
当日は、次から次へと人が来て、気づけば一日が終わっていた、という方がほとんどです。全互協も、喪主は弔問を受けるのが第一の役目なので、遺体のそばを離れたくないと説明しています。
『全部自分で仕切らなきゃ』と思わなくていいんです。受付や会計は、世話役をお願いした親族や知人に任せてしまいましょう。
- 喪服と数珠、靴や小物の準備
- 挨拶で話すことのメモ(紙を見ながらで大丈夫)
- 受付・会計をお願いする人への声かけ
- 出棺の時に位牌と遺影を持つ人
- 火葬場へ同行する人数と移動の手段
全互協は、喪主は正式喪服を着て、通夜などはブラックスーツでかまわないと説明しています。服装で迷う方は 喪主の服装 を見てみてください。
通夜の流れ
全葬連が紹介する通夜の流れは、納棺、祭壇と式場の設営、弔問客の受付、読経と焼香、喪主の挨拶と通夜振る舞い、の順です。焼香は喪主から始まり、遺族、親族、一般の参列者と続きます。
通夜振る舞いは、弔問に来てくれた人を食事でもてなす席のことです。通夜の後も、近親者でろうそくや線香の火を絶やさないようにし、夜中は電気のろうそくで代えることもあります。
通夜の当日の動きや挨拶は、通夜の喪主の役割と流れ でくわしく紹介しています。
告別式と出棺の流れ
告別式は、会葬者の受付、開式と読経、焼香、弔辞・弔電、閉式、最後のお別れ、と進みます。焼香の順番は通夜と同じく、喪主からです。
出棺の時は、棺のあとに喪主が位牌を持って続き、次の遺族が遺影を持つ、と全互協は説明しています。棺を霊柩車に乗せた後、喪主か遺族代表が会葬者にお礼の挨拶をします。
| 場面 | 喪主の立ち位置 | 喪主がすること |
|---|---|---|
| 通夜の読経 | 祭壇に向かって右側、棺にいちばん近い席 | 最初に焼香し、弔問を受ける |
| 通夜の終わり | 遺族の席 | お礼の挨拶、通夜振る舞いへの案内 |
| 告別式 | 遺族の席の先頭 | 最初に焼香する |
| 出棺 | 棺のすぐあと | 位牌を持ち、お礼の挨拶をする |
| 火葬場 | 遺族の先頭 | 最後のお別れ、骨上げで最後にのど仏を拾う |
出棺の挨拶で話すことは、全互協によると自己紹介、会葬と見送りへのお礼、生前の厚誼への感謝、今後の支援のお願い、の4つです。長く話す必要はありません。
火葬場へ向かう時は、霊柩車を先頭に、僧侶と喪主が乗る車、遺族の車、マイクロバスと続くのが一般的な形です。霊柩車に喪主が位牌を持って乗ることもあるので、誰がどの車に乗るかは葬儀社と前もって決めておきましょう。
「本日はお忙しいところ、母のためにお集まりいただき、ありがとうございました。生前のご厚情に心よりお礼申し上げます。今後とも変わらぬお付き合いをお願いいたします」
挨拶の例文は 喪主の挨拶の例文、告別式の細かい動きは 告別式の喪主の役割 にまとめました。

火葬と骨上げの流れ
火葬場では、最後のお別れのあと、骨上げ(お骨を拾う儀式)をします。全互協は、喪主・遺族・近親者の順に箸を渡して交代し、最後に喪主がのど仏を拾って骨壷に納めると説明しています。
骨上げのあとは、火葬証明の印が押された埋葬許可証が骨壷の箱に入って渡されます。これは納骨の時に使うので、箱ごと大切に保管しておきましょう。
火葬場での待ち時間や持ち物は、火葬場での喪主の役割 で紹介しています。
精進落としと葬儀後の手続きの流れ
火葬が終わったら、還骨法要(お骨を迎える法要)と、最近は初七日を繰り上げて行うことが多いです。その後の精進落とし、世話役からの引き継ぎ、お礼回りまでが喪主の大事な仕事になります。
火葬が済むと、ほっとして力が抜けますよね。でも、ここからもう少しだけ、喪主の出番が続くんです。
還骨法要と精進落とし
全互協は、還骨のお勤めに続けて初七日を繰り上げて営むケースが一般的になっていると説明しています。これを「繰り上げ初七日」と呼びます。
精進落としは、お世話になった人の労をねぎらう食事の席です。遺族は末席に座ってもてなし、喪主がお礼の言葉を述べ、僧侶に献杯の音頭をお願いするのが一般的な形です。
世話役からの引き継ぎ
全互協は、世話役に任せた事務は、精進落としが終わったら早めに引き継ぐよう勧めています。お金に関係するものは、その場で一緒に確かめておきましょう。
- 香典と香典帳
- 供物帳・芳名帳
- 弔辞・弔電
- 出納帳と領収書、残ったお金
- 葬儀社の見積書・明細書・請求書
葬儀後の手続きとお礼回り
全葬連は、葬儀でお世話になった人には初七日までにお礼の挨拶に出向き、その時は喪主自らが行くのが礼儀とされる、と説明しています。故人が在職中だった場合は、勤務先にも挨拶に伺います。
葬儀社からの請求書は、葬儀後数日して届くのが一般的です。見積書と照らし合わせて、分からない点は支払いの前に確かめましょう。

| 時期 | 喪主がすること |
|---|---|
| 葬儀の当日 | 世話役から香典や帳簿を引き継ぐ |
| 初七日まで | お世話になった人へのお礼回り、勤務先への挨拶 |
| 請求書が届いたら | 見積書と照らし合わせて支払う |
| 四十九日まで | お寺と法要・納骨の打ち合わせ、位牌や仏壇の準備、香典返しの手配 |
| 2年以内 | 葬祭費・埋葬料の申請(故人の健康保険へ) |
健康保険から出る葬祭費や埋葬料は、喪主が受け取れる葬祭費・埋葬料 で申請先と期限をまとめています。年金や各種保険は、それぞれの窓口に届け出が必要です。
四十九日までの流れ
仏教では、亡くなった日から四十九日までの間、七日ごとに法要を営むとされています。全互協は、七七日にあたる四十九日を忌明けの日と説明しています。
最近は初七日を葬儀の日に繰り上げることが多いので、次に大きな区切りになるのは四十九日の法要です。この時に納骨をする家も多く、骨上げの時に受け取った埋葬許可証が必要になります。
香典返しは、葬儀の当日に渡す即日返しか、四十九日の忌明け後に挨拶状を添えて贈るのが一般的です。法要の準備は 四十九日法要の喪主 でくわしく紹介しています。
慌てないために、最初の連絡先を決めておく
葬儀の流れでいちばん慌てるのは、亡くなった直後の「どこに連絡するか」です。葬儀社の候補を前もって決めておくだけで、その後の流れがぐっと落ち着きます。
流れを頭に入れていても、いざという時は気持ちが追いつかないものですよね。特に病院から搬送をお願いする時は、短い時間で葬儀社を選ぶことになります。
全葬連は、信頼できる葬儀社とは、遺族の意思を確かめながら費用やしきたりをきちんと説明し、書面で見積もりや明細を出す業者だと説明しています。その場で決める前に、こうした点を確かめられると安心です。
搬送をお願いした流れで、内容をよく聞かないまま葬儀まで決めてしまうことがあります。搬送と葬儀の依頼は分けて考えてよいので、見積りを見てから決めましょう。
前もって家族で共有しておくもの
いざという時に家族の誰が電話を受けても動けるように、次のものを一か所にまとめておくと安心です。
- 相談しておいた葬儀社の連絡先と資料
- お付き合いのあるお寺の連絡先と宗派
- 近親者の連絡先の一覧
- 遺影に使いたい写真
- 故人が望んでいた葬儀の形のメモ
『縁起でもない』と感じる方もいますよね。ただ、準備しておくことは、残される家族の負担を軽くするためのものなんです。
段取りを任せられる葬儀社に早めに相談しておくと、慌てずにすみます。資料を取り寄せて、家族の連絡先と一緒に置いておくだけでも、いざという時の助けになりますよ。
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よくある相談:はじめての喪主が流れで迷うこと
知恵袋などでよく見かけるのは「身内だけでも挨拶はいるの」「はじめてで何を見ればいいの」「親戚づきあいがなくても喪主は務まるの」という相談です。
家族と親族だけの葬儀でも、喪主の挨拶は必要?
決まりはないので、短くても大丈夫です。全葬連も、会葬者は遺族のつらさを察しているので、挨拶は簡単なもので十分だとしています。
身内だけなら、「今日は来てくれてありがとう。母もきっと喜んでいると思います」くらいの言葉で、気持ちは伝わります。
話すのがつらい時は、代理の親族にお願いしてもかまいません。
はじめて喪主をする。何を見ておけばいい?
まずは、この記事の時間軸表のように「どの場面で何を決めるか」を一枚で見られるものを手元に置いてみてください。細かい作法は、その場面が近づいてから確かめれば十分です。
葬儀社の担当者は、流れを一番よく知っている相談相手です。
『こんなことを聞いたら恥ずかしいかな』と思わず、分からないことはその都度聞いてしまいましょう。はじめての方向けの心構えは はじめての喪主 にもまとめています。
親戚とのつながりがほとんどない。喪主は務まる?
務まります。喪主の役目は弔問を受けることと、葬儀社との打ち合わせで方針を決めることなので、親戚づきあいの多さは関係ないんです。
世話役をお願いできる親戚がいない時は、受付や会計も含めて葬儀社に相談してみてください。参列する人が少なければ、受付を置かない形にすることもできます。
呼ぶ範囲が小さいなら、家族葬や一日葬のように規模を絞る形もあります。考え方は 家族葬・一日葬・密葬の喪主 を参考にしてみてください。
- 葬儀社と方針を決める
- 弔問を受け、焼香を最初にする
- 出棺などでお礼の挨拶をする
- 葬儀後のお礼回り
- 受付や会計
- 式の進行や司会
- 料理や返礼品の細かい手配
- 書類の提出の代行
よくある質問
亡くなってから葬儀までは何日くらいかかりますか?
決まった日数はありません。火葬は亡くなってから24時間たたないとできず、僧侶や火葬場の都合、親族の到着も見て日取りを決めます。
喪主は通夜の夜に寝ずに付き添う必要がありますか?
必要はありません。全互協も、夜通し見守る習わしを守る家は少ないと説明しています。夜は電気のろうそくに代え、体を休めることも大切です。
死亡届は喪主が出さないといけませんか?
戸籍法で届け出る人の順番が決まっていて、喪主に限りません。実際は葬儀社が提出を代行することが多いです。
葬儀の流れは家族葬でも同じですか?
大きな流れは同じですが、受付や通夜振る舞いを省くなど簡単になることが多いです。一日葬なら通夜を行いません。
精進落としは開かないといけませんか?
開かない形もあります。親族だけの葬儀では、通夜振る舞いや精進落としを行わないことも一般的だと案内している葬儀社もあります。家族で話して決めてかまいません。
まとめ
- 葬儀の流れは6つの場面に分けると、喪主が決めることが見えてくる
- 臨終直後は、葬儀社と近親者・お寺への連絡が最優先
- 当日の喪主の役目は弔問を受けることで、進行は任せてよい
- 葬儀後は引き継ぎ、初七日までのお礼回り、請求書の確認を
- 最初の連絡先になる葬儀社を前もって決めておくと慌てない





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