法事の喪主は誰?施主の役割と法要の準備

法事の喪主(施主)の役割と準備を紹介する記事のアイキャッチ

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葬儀が終わってひと息ついたころ、四十九日や一周忌の話が出てきて『法事の喪主って、また自分がやるの?』と戸惑っていませんか。

結論から言うと、法事を主催する人は「施主(せしゅ)」と呼ぶのが一般的で、葬儀の喪主がそのまま務めることが多いです。ただ、決まりではないので、家族の事情に合わせて決めてかまいません。

この記事では、法事の喪主(施主)がすることと、準備をどの順番で進めればいいかが分かります。

目次

法事の喪主は誰がする?先に結論

先に結論

法事や法要を主催する人は、施主と呼ばれることが多いです。葬儀で喪主を務めた人がそのまま施主になる形がよく見られますが、配偶者が高齢なら子が務めるなど、家族で決めてかまいません。

全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)は、施主を「法事または葬儀などを行う責任者」と説明しています。葬儀のあとの法事では、この施主という呼び方がよく使われます。

『じゃあ、喪主という言葉は法事では使わないの?』と気になりますよね。実際には、親族の間で「法事の喪主」と呼ぶこともあり、どちらで呼んでも話は通じます。

場面よく使う呼び方主な役目
通夜・葬儀・告別式喪主遺族の代表として弔問を受ける
四十九日などの法要施主(法事の喪主と呼ぶことも)法要を主催し、段取りを決める
一周忌・三回忌などの年忌法要施主日程・お寺・案内・会食を決める

喪主と施主の言葉の違いは喪主と施主の違いでくわしく紹介しています。

法事の施主を決める時の考え方

喪主も施主も、法律で決まった役職ではありません。だからこそ、家族で話し合って決めればいいんです。

法事の施主を決める時に考えること
  • 葬儀の喪主がそのまま続けられるか
  • お寺とのやりとりを誰が受け持つか
  • 費用をどう分けるか
  • 案内を出す相手と連絡が取りやすいのは誰か

例えば、葬儀では母が喪主を務め、法事からは長男が施主になる、という形も珍しくありません。家族の会話にすると、こんな感じです。

「法事の段取りはこっちでやるから、お母さんは当日お参りに来てくれる方のお相手をお願い」

法事と法要の違い、施主がすること

この章の要点

法要はお経をあげてもらう儀式、法事はその後の会食も含めた行事全体を指します。施主は、法要の段取りと会食の準備の両方を受け持ちます。

法事と法要、同じ意味だと思っている方も多いはずです。全互協は、故人の冥福を祈る儀式を法要、飲食を含めた法要のための行事を法事、と説明しています。

また全互協は、法事を大きく分けると「僧侶による仏教的なセレモニー」と「その後の会食」になる、とも書いています。施主がすることも、この2つに分けると分かりやすいですよ。

分け方中身施主がすること
法要(儀式)僧侶にお経をあげてもらうお寺に日程を相談する、お布施を用意する
会食参列者と食事をしながら故人をしのぶ会場と料理を手配する、席を決める
返礼品参列者に渡すお礼の品人数に合わせて用意する
案内参列してほしい方への連絡日程と場所を伝え、出欠を確かめる

法事の種類と、施主の負担が大きい回

仏教では、亡くなった日から四十九日まで七日ごとに法要があります。全互協によると、初七日以降は主に内輪で営み、四十九日(七七日)は忌明けの日として近親者や親しい友人を招くことが多いそうです。

その後は百か日、一周忌、三回忌と続きます。全互協は、とくに三回忌までの法要が重要とされる、と説明しています。

法事いつ規模の目安
初七日亡くなった日を入れて7日目(葬儀の日に繰り上げることが多い)葬儀と一緒に
四十九日七七日。忌明けの日近親者や親しい友人を招く
一周忌亡くなった翌年の祥月命日盛大に営まれるのが一般的
三回忌亡くなって2年目親族中心のことが多い

四十九日の準備は四十九日法要の喪主、一周忌は一周忌の喪主(施主)で、それぞれくわしく紹介しています。

法事の準備カレンダー|何をどの順番で決める?

この章の要点

法事の準備は、「日程とお寺」「会場」「案内」「人数が決まってから会食と返礼品」の順に進めると迷いません。全互協は、案内は一ヵ月ぐらい前に出すと説明しています。

『何から手をつければいいか分からない』という方のために、この記事では準備を5つの時期に分けたカレンダーにしてみました。日数はあくまで目安で、お寺や会場の空き具合に合わせて前後させてくださいね。

法事の準備を「日程とお寺」「会場」「案内」「会食と返礼品」「前日と当日」の5つの時期に分けた準備カレンダーの図解
時期決めることポイント
1 法事をすると決めたらすぐ日程の候補、お寺への相談僧侶の都合を最初に聞く
2 日程が決まったら会場(自宅・お寺・斎場・ホテルなど)会食の場所を同じにするか決める
3 案内を出す時期(一ヵ月ぐらい前)案内の相手と方法電話・はがきなどで日程と場所を伝える
4 出欠がそろったら会食の人数、返礼品の数人数が決まってから注文する
5 前日と当日お布施の準備、席順、挨拶当日の持ち物を確かめる

1 日程はお寺の都合を先に聞く

全互協は、法要の日程は亡くなった当日がよいとし、できない時は当日より前で近い、参列者の都合がつきやすい日にする、と説明しています。関西では逮夜(たいや、命日の前日)を大事にして、前日に営むこともあるそうです。

まずは菩提寺(お付き合いのあるお寺)に連絡し、いくつかの候補日を伝えて都合を聞きましょう。お付き合いのあるお寺がない時は、葬儀をお願いした葬儀社に相談してみてください。

2 会場を決める

法事の場所は、自宅のほか、お寺、斎場、ホテルなどがあります。全互協によると、最近は墓園に付いた会館や互助会の会館を使うことも多くなっているそうです。

会食の場所は、法要と同じ場所にするか、料亭や会館に移るかを決めます。移動がある時は、高齢の親族の足をどうするかも考えておくと安心です。

自宅で法事をする時に気をつけたいこと

自宅で法事をする時は、僧侶に読経してもらう部屋と、参列者が座る場所を先に決めておきます。仏壇の前を片付け、座布団の数を確かめておくと当日あわてません。

施主が自宅に整える法要の席のイメージ

会食まで自宅でする場合は、料理の準備と片付けの手が足りるかも考えておきましょう。『家族だけで全部やるのは大変そう』と感じたら、会食だけ別の場所にするのも一つの方法です。

3 案内を出す

全互協は、日程と場所が決まったら、招く人には一ヵ月ぐらい前に電話やはがきなどで案内をする、と説明しています。身内だけの法事なら、電話や連絡アプリで伝えても失礼にはなりません。

案内では、日時・場所・会食の有無を伝え、出欠をいつまでに知らせてほしいかも書いておきましょう。

4 人数が決まったら会食と返礼品

全互協は、招かれた人は早めに出欠を返すのがマナーで、引出物や会場の準備のために人数の確認が大事だ、と書いています。施主の立場から見ると、出欠がそろってから会食と返礼品を注文するのが順番です。

よくあるつまずき

出欠がそろう前に料理や返礼品を確定してしまい、数が合わなくなることがあります。注文の締め切りを先に聞いておき、その日までに出欠を集めるようにしましょう。

5 前日と当日の準備

前日には、お布施や持ち物をそろえておきます。全互協は、お布施は白い無地の封筒に入れ、表書きは「御布施」とする、と説明しています。

前日までにそろえておくもの
  • お布施(白い無地の封筒、表書きは御布施)
  • 位牌と遺影
  • 返礼品
  • 参列者の名前と席順のメモ
  • 施主の挨拶のメモ

法事当日の流れと施主の動き

この章の要点

法事の当日は、僧侶の読経、焼香、お墓参りや納骨、会食の順に進むことが多いです。施主は、始まりと会食の前後に短い挨拶をします。

当日の流れは、宗派や地域、会場で違います。ここでは、お寺や会館で法要をして会食に移る、よくある形を紹介しますね。

法事当日の流れ(一般的な例)
  1. 施主は早めに会場に入り、僧侶を出迎える
  2. 施主が始まりの挨拶をする
  3. 僧侶の読経、焼香(施主から順に)
  4. 必要に応じてお墓参りや納骨
  5. 会食の前に施主が挨拶し、献杯
  6. 会食の終わりに施主がお礼の挨拶をし、返礼品を渡す
法事当日の流れを、僧侶の出迎えから読経・焼香・会食・お見送りまで順番に並べた図解
焼香の順番

葬儀の焼香は、喪主から始まり、遺族、親族、一般の参列者の順に進むと全葬連は説明しています。法事でも施主から始める形がよく見られますが、人数や会場によって数人ずつ進めることもあるので、僧侶の案内に合わせれば大丈夫です。

施主の挨拶は短くて大丈夫

『人前で話すのが苦手で…』という方も多いですよね。法事の挨拶は、来てくれたお礼と、故人をしのぶ言葉があれば十分なんです。

例えば、始まりの挨拶ならこんな言い方ができます。

「本日はお忙しいところ、父の一周忌にお集まりいただき、ありがとうございます。これより法要を始めさせていただきます」

会食の前なら、こんな形です。

「おかげさまで無事に法要を終えることができました。ささやかですが食事を用意しましたので、父の思い出話などをしながら、ゆっくりお過ごしください」

挨拶の場面入れたいこと
始まり参列へのお礼、法要を始めること
会食の前法要を終えた報告、食事の案内
会食の終わりお礼、今後もよろしくという気持ち

お寺へのお礼の渡し方

お布施は、施主から僧侶に渡します。渡すタイミングや渡し方は地域やお寺で違うので、迷ったら当日の前にお寺に聞いておくと安心です。

僧侶が会食に出ない時は、全互協が葬儀の場面で説明している「御膳料」のように、別に包むこともあります。包む額は書きませんが、迷ったらお寺に直接聞いてもかまいません。

法事の施主が迷いやすいこと

この章の要点

法事の施主が迷いやすいのは、「誰を呼ぶか」「服装」「施主も香典を出すのか」の3つです。地域や家の考え方で違うので、迷ったら年長の親族やお寺に聞いてみましょう。

誰を呼ぶかは施主が決めてよい

法事に誰を招くかは、施主と家族で決めることです。全互協は、法要に招かれるのは親類と故人とごく親しかった友人・知人で、内輪ですませることも多い、と説明しています。

身内だけで静かに営みたい時は、案内を出さなかった親族に「家族だけで営みます」と一言伝えておくと、行き違いが起きにくくなります。

服装の目安

全互協は、遺族は三回忌までは喪服を着て、三回忌以降の法要は地味めの平服がよい、と説明しています。施主から参列者に「平服で」と伝えることもあります。

法事施主・遺族の服装の目安
四十九日・一周忌・三回忌喪服
七回忌以降地味めの平服

施主も香典を出す?

『施主も香典を包むべき?』と迷う方もいます。施主は法事を主催する側なので、招かれて香典を包む参列者とは立場が違います。

ただ、施主を兄弟の一人が務め、費用を兄弟で分ける時は、香典ではなく費用の分担として出すこともあります。お金の出し方は、家族で先に決めておくとすっきりします。

法事の費用は誰が出す?

法事の費用を誰が出すかも、法律で決まっているわけではありません。施主が出す家もあれば、兄弟で分ける家、故人の遺したお金から出す家もあります。

ひとつ知っておきたいのは、相続税の計算との関係です。国税庁は、初七日など法事のためにかかった費用は、遺産から差し引ける葬式費用に含まれないと説明しています。

葬儀の費用とは扱いが違うので、領収書は分けて保管しておくと後で迷いません。税金のことで迷ったら、税務署や税理士に聞いてみてください。

法事を簡素にしたい時

『大がかりな法事は負担が大きい』と感じる方もいますよね。家族だけで法要を営む、会食をしないなど、規模は施主と家族で決めてかまいません。

簡素にする時は、案内の段階で「家族だけで営みます」「会食はございません」とはっきり伝えておくと、参列する側も準備がしやすくなります。

兄弟で役目を分ける時

施主を一人に決めても、準備を全部一人で抱える必要はありません。兄弟や家族で役目を分けると、負担がぐっと軽くなります。

分けやすい役目の例
  • お寺との連絡と、お布施の準備
  • 親族への案内と出欠のとりまとめ
  • 会場と会食の手配
  • 返礼品の注文と当日の受け渡し

分ける時は、施主が全体の進み具合を把握しておくと安心です。「決まったことは施主に一言伝える」と約束しておけば、行き違いが起きにくくなります。

神式など仏式以外の場合

法事という言葉は仏式で使われることが多いですが、神式でも亡くなった方をしのぶお祭りがあります。神社本庁は、五十日祭や、満1年・3年・5年・10年などの年祭を一般的な流れとして紹介しています。

神式やキリスト教式の場合も、主催する遺族の代表が段取りを決める点は同じです。くわしい作法は、お世話になる神社や教会に確かめてみてください。

法要の相談先を持っておく

お付き合いのあるお寺がない、どこで法要をすればいいか分からない、という時は、法要の読経の手配を受け付けている窓口に相談するのも一つの方法です。早めに相談しておけば、日程の候補も立てやすくなります。

よりそうお葬式を運営する会社では、法要の読経の手配を「よりそうお坊さん便」として案内しています。葬儀やその後の法要の相談先として、資料で内容を確かめておくと慌てずにすみます。

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法事の喪主のよくある相談

この章の要点

法事の喪主(施主)については、「誰を呼ぶか」「施主も香典を出すのか」「施主に渡すお金の名前」などの相談がよく見られます。

ここでは、よく寄せられる相談を要約して紹介します。

相談1 呼ばれていない親族が当日来たいと言っている

法事は施主が参列者を決めるもので、呼ばれていない人が来ると席や料理の準備が合わなくなる、という相談です。

全互協も、法要は内輪ですませることも多いので、招待がないからといって催促や問い合わせはしないように、と参列する側に向けて説明しています。施主の側は、人数を決めた事情を穏やかに伝えれば大丈夫です。

例えば「今回は家族だけで営むことにしたので、改めてお参りに来てもらえるとうれしい」と伝えると、角が立ちにくくなります。

相談2 夫が法事の喪主だが、取り仕切っているのは義母。香典は出すべき?

施主の名前は夫でも、実際には義母が段取りをしている、という家庭もありますよね。この場合、香典を出すかどうかは家の考え方で変わります。

迷ったら、取り仕切っている方に「費用の分担はどうしましょうか」と聞いてみてください。香典として包むか、費用を分けるかを先に決めておけば、当日に迷いません。

相談3 法事で施主に渡すお金は何と呼ぶの?

お布施でもないし、何と書けばいいのか分からない、という相談です。全互協は、法要に招かれたら現金を包み、表書きは「御供物料」とすれば宗教を問わず通用する、と説明しています。

仏式では「御仏前」とすることもあります。金額は地域や法要の規模で違うので、親族に相談して決めてみてください。

相談4 父の法事で施主になった。挨拶は何と言えばいい?

法事の施主になったものの、挨拶で何を話せばいいか分からない、という相談です。気負わなくて大丈夫で、来てくれたお礼と、故人をしのぶ一言があれば形になります。

例えば、会食の終わりならこんな言い方ができます。

「本日はありがとうございました。父も皆さんにお集まりいただき、喜んでいると思います。今後とも変わらぬお付き合いをよろしくお願いいたします」

相談の中身答えの要点
呼ばれていない親族が来たい参列者は施主が決めてよい。事情を穏やかに伝える
施主の家で香典を出すか家の考え方次第。費用の分担を先に決める
施主に渡すお金の名前御供物料(仏式なら御仏前も)
施主の挨拶お礼と故人をしのぶ一言で十分

年忌法要が続く時の考え方は三回忌・七回忌・十三回忌の喪主(施主)で紹介しています。

よくある質問

法事の喪主と施主は同じ意味ですか?

法事を主催する人は施主と呼ぶのが一般的です。親族の間では「法事の喪主」と呼ぶこともあり、同じ人を指していると考えてかまいません。

法事の施主は葬儀の喪主と同じ人でないといけませんか?

いいえ。決まりはないので、家族の事情に合わせて別の人が務めてもかまいません。

法事の案内はいつ出せばいいですか?

全互協は、日程と場所が決まったら一ヵ月ぐらい前に案内をする、と説明しています。

法要の喪主(施主)は何を着ればいいですか?

全互協は、遺族は三回忌までは喪服、三回忌以降は地味めの平服がよいとしています。

法事の日程を命日からずらしてもいいですか?

はい。全互協は、命日当日が難しい時は、当日より前で近い、参列者の都合がつきやすい日にすると説明しています。

まとめ

この記事の要点
  • 法事を主催する人は施主と呼ばれ、葬儀の喪主が務めることが多い
  • 施主は家族の事情で決めてよく、法律で決まった役職ではない
  • 準備は日程とお寺、会場、案内、会食と返礼品、前日と当日の順に進める
  • 案内は一ヵ月ぐらい前、会食と返礼品は出欠がそろってから
  • 遺族の服装は三回忌までは喪服、それ以降は地味めの平服が目安
喪主ドットコム

喪主ドットコム 編集部

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