父の葬儀の喪主|母か長男か、誰がなる?決め方と段取り

父の葬儀の喪主の決め方と段取りを紹介する記事のアイキャッチ

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父が亡くなり、『喪主は母なの?それとも長男の自分?』と迷っている方も多いはずです。悲しみの中で、すぐに決めなければならないのはつらいですよね。

結論から言うと、父の葬儀の喪主は、母(故人の妻)が務めるのが一般的な順番です。ただ、母が高齢で負担が大きい時は、子が喪主になったり、母を喪主に立てて子が実務を受け持ったりと、家族の事情で決めてかまいません。

この記事では、母の状況と子の人数の組み合わせで喪主の立て方をまとめ、父が亡くなってからの段取りまで紹介します。

目次

父の葬儀の喪主は、まず母、次に子が一般的です

先に結論

父の葬儀の喪主は、慣習では母が最初の候補で、母がいなければ子が務めます。喪主は法律で決まった役職ではないので、最後は家族で話し合って決めて大丈夫です。

全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)は、喪主は故人と最も縁の深い人がなるのが原則で、普通は故人の配偶者がなると説明しています。父の葬儀なら、母がそれにあたります。

全互協は、喪主を選ぶ順番の目安として、配偶者、長男、長女、親、兄弟の順も挙げています。父が亡くなった場合に当てはめると、次のようになります。

順番の目安父の葬儀でいうと補足
1母(父の妻)慣習では最初の候補
2長男母がいない、または母が務めにくい時
3長女結婚して姓が変わっていても務められる
4父の親(祖父母)子がいない時など
5父の兄弟配偶者も子もいない時など

『長男が喪主をやるものだと思っていた』という方もいますよね。実は、子より先に配偶者が候補になるのが、全互協の説明する一般的な考え方なんです。

ただし、これは慣習の目安です。喪主は法律上の役職ではなく、法律が決めているのは死亡届を出す人や祭祀承継者(お墓や仏壇を受け継ぐ人)など別のものです。

娘が喪主でもいい

全互協は、結婚して姓が変わっていても、故人の実の娘であれば喪主になってかまわないとしています。兄弟の中で父と近くに住んでいた娘が務める、という決め方もできます。

なお、未成年の子が喪主になる時は、後見人を立てると全互協は説明しています。喪主の決め方の全体は 喪主の決め方 で紹介しています。

父が元気なうちに話しておけること

この記事を、まだ父が元気なうちに読んでいる方もいるかもしれません。『縁起でもない話はしにくい』と感じますよね。

ただ、喪主を誰にするか、どんな葬儀にしたいかを少しでも聞いておくと、いざという時に家族が迷わずにすみます。民法でも、お墓などを受け継ぐ人は、故人の指定があればその人になるとされています。

父や家族と話しておけると安心なこと
  • 喪主を誰に頼みたいか
  • 家族だけで送りたいか、広く知らせたいか
  • お付き合いのあるお寺や宗派
  • 知らせてほしい友人や勤務先

一度に全部を聞かなくても大丈夫です。葬儀社への事前相談で決めておけることは、喪主になる前にできる準備 で紹介しています。

母の状況と子の人数で変わる、喪主の立て方

この章の要点

父の葬儀の喪主は、「母が元気か、高齢か」と「子が何人いるか」の2つでほぼ形が決まります。自分の家に近い組み合わせを探してみてください。

父親が亡くなると、母の年齢や暮らし方、子の住んでいる場所によって、無理のない形が変わってきます。よくある組み合わせを表にしました。

父の葬儀の喪主の立て方を、母が元気か高齢か、子が何人いるかの組み合わせでまとめた図解
母の状況子が1人子が2人以上
母が元気で、打ち合わせもできる母が喪主、子が段取りを手伝う母が喪主、子の一人が世話役の代表
母が高齢で、負担を減らしたい母を喪主に立て、挨拶と打ち合わせは子が受け持つ/子が喪主長男など一人が喪主、または母を喪主に立てて兄弟で役割を分ける
母がすでに亡くなっている・離れて暮らしているその子が喪主兄弟で話し合って一人を喪主に(二人で務める形も)

母が元気な時

母が打ち合わせや挨拶をこなせる時は、母が喪主になるのが自然です。子は、葬儀社とのやり取りや親族への連絡など、実務を手伝う形になります。

例えば、こんな分け方ができます。

「喪主はお母さんにお願いして、葬儀社との細かいやり取りは僕がやるよ」

母が高齢の時

母が高齢で、長い打ち合わせや大勢への応対が負担になりそうな時もありますよね。その場合は、長男など子が喪主を務める家も多くあります。

一方で、『夫の葬儀は自分が喪主として送りたい』という母の気持ちもあります。その時は、母を喪主に立て、挨拶や打ち合わせは子が代わりに受け持つ形も取れます。

全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)は、遺族代表の挨拶は喪主か、その代理の親族がするものとしています。母が喪主でも、挨拶は長男が代わりに述べてかまわないんです。

母がいない時

母がすでに亡くなっている時や、両親が離婚していて母が離れて暮らしている時は、子が喪主を務めます。子が一人ならその子が、兄弟がいれば話し合って決めます。

離婚した親の葬儀については、離婚した親の葬儀の喪主 で紹介しています。

母を喪主に立てて、子が支える分け方

この章の要点

喪主・施主・世話役代表と役割を分ければ、母の負担を減らしながら、母を喪主として立てられます。誰が何を受け持つかを、最初に家族で決めておきましょう。

『母を喪主にしたいけど、全部を任せるのは心配』という方も多いはずです。そんな時は、役割を分けて考えると決めやすくなります。

全互協は、施主を「法事または葬儀などを行う責任者」と説明し、一般的な葬儀では喪主が施主になるとしています。家によっては、喪主と施主を別の人が務める形をとることもあります。

役割受け持つこと父の葬儀での分け方の例
喪主遺族の代表として弔問を受ける母
施主葬儀の費用や運営の責任を持つ長男
挨拶通夜・出棺・精進落としでの挨拶長男(喪主の代理として)
世話役の代表受付・会計・案内の取りまとめ次男や長女、親族

この形にすると、母は父のそばにいて弔問を受けることに集中できます。全互協も、喪主は弔問を受けるのが第一の役目なので、なるべく故人のそばを離れたくないと説明しています。

比べる点母が喪主・子が支える形子が喪主になる形
母の気持ち「自分が送りたい」思いを大切にできる母の気持ちを先に確かめておく
母の負担弔問を受けることに集中してもらえる最も軽くできる
決めごと母と子で相談しながら決める子に一本化しやすい
挨拶子が喪主の代理として述べる喪主の子が述べる

どちらがよいということはありません。『母はどうしたいんだろう』と一度聞いてみるだけで、家族の答えは自然と決まってくることが多いですよ。

喪主と施主の違いは、喪主と施主の違い でくわしく紹介しています。母の葬儀の場合の考え方は、母の葬儀の喪主 で紹介しています。

兄弟で父の葬儀の喪主を決める時の話し合い方

この章の要点

兄弟が複数いる時は、「誰が喪主か」だけでなく「誰が何を受け持つか」まで一緒に決めると、あとで行き違いが起きにくくなります。

母が喪主を務めない場合、兄弟の誰が父の喪主になるかを決めることになります。長男が務める家が多いですが、決まりではないんです。

例えば、父と同居していた子、父の近くに住んでいて葬儀のあとの手続きも受け持てる子が喪主になる、という決め方もあります。兄弟それぞれの事情で決めて大丈夫です。

兄弟で話し合っておきたいこと
  • 喪主を誰にするか(一人か、二人で務めるか)
  • 葬儀社との打ち合わせに誰が出るか
  • 葬儀の費用を誰がどう出すか
  • 挨拶を誰がするか
  • 葬儀のあとの法要やお墓のことを誰が受け持つか

全葬連が内閣府の消費者委員会に出した資料では、葬儀社との打ち合わせや見積りの交渉は、責任の持てる家族2人以上で行うよう勧めています。兄弟で一緒に打ち合わせに出るだけでも、聞き漏らしや思い違いが減りますよ。

話し合いがまとまらない時は

兄弟それぞれに事情や思いがあって、すぐには決まらないこともありますよね。そんな時は、まず母の気持ちを聞くところから始めると、話が進みやすくなります。

「お母さんは、誰に喪主をやってほしい?」

それでも決めきれない時は、葬儀社の担当者に「この地域ではどう決めることが多いですか」と聞いてみる方法もあります。地域の習わしを知ると、兄弟の誰も責められずに決められます。

よくある行き違い

喪主だけを決めて、費用や挨拶の分担を決めずに進めると、葬儀のあとに「聞いていなかった」となりがちです。決めたことは、兄弟で短くメモに残しておきましょう。

二人で喪主を務める形もある

『兄と自分のどちらか一人に決めにくい』という時は、二人で喪主を務める形を選ぶ家もあります。喪主を一人に限る法律や公的なルールはなく、慣習の範囲で決めていいものです。

その場合は、挨拶をどちらがするか、葬儀社の窓口をどちらにするかを決めておくと、当日も迷いません。くわしくは 喪主は2人でもいい?共同喪主の立て方 で紹介しています。

兄弟での決め方は 親の葬儀の喪主は長男? でも紹介しています。

喪主とお墓・相続は別の話

喪主を誰にするかと、お墓や仏壇を誰が受け継ぐか、遺産をどう分けるかは、別の話です。民法では、お墓などを受け継ぐ祭祀承継者は慣習に従って決まり、故人の指定があればその人が受け継ぐとされています。

喪主になったことを理由に、相続分が増えたり減ったりする決まりはありません。くわしくは 喪主と相続人・祭祀承継者の関係 で紹介しています。

父が亡くなってから葬儀後までの段取り

この章の要点

父が亡くなった直後にやることは、葬儀社への連絡と家族・親族への連絡です。喪主が決まったら、葬儀社と日程や形式を決めていきます。

父の死亡を知らされた直後は、頭が真っ白になりますよね。最初にやることは、多くありません。

父が亡くなってからの段取り
  1. 医師から死亡診断書を受け取る
  2. 葬儀社に連絡し、父を安置する場所へ運んでもらう
  3. 母や兄弟、近い親族、お付き合いのあるお寺に連絡する
  4. 喪主と役割分担を家族で決める
  5. 葬儀社と形式・日程・場所・予算を打ち合わせる
  6. 父の勤務先や友人、近所に日程を知らせる

全葬連は、亡くなったあとにやることの順番を挙げています。

最初は葬儀社への連絡と死亡診断書の受け取り、次に近親者とお寺への連絡です。そのあと日時や予算を決め、喪主の決定と世話役の依頼へと進みます。

喪主を決めるのは、この最初の段階です。

法律で決まっている期限

決まり内容
死亡届(戸籍法)死亡を知った日から7日以内に届け出る。届け出る人は同居の親族などで、喪主とは限らない
火葬(墓地埋葬法)死亡後24時間を経過した後でなければ行えない。市町村長の許可(火葬許可証)が必要

死亡届の提出は、実際には葬儀社が代わりに行うことが多いです。打ち合わせの時に、誰が出すかを確かめておきましょう。

通夜から葬儀後まで、父の喪主が受け持つこと

喪主が決まったあとは、通夜、葬儀・告別式、火葬と続きます。父の葬儀で喪主が受け持つことを、時間の順に並べておきますね。

時期喪主が受け持つこと
通夜弔問を受け、通夜振る舞い(通夜のあとの食事の席)を挨拶で締めくくる
葬儀・告別式最初に焼香する。焼香は喪主、遺族、親族、一般の参列者の順
出棺位牌を持って棺に続き、会葬者にお礼の挨拶をする
火葬・骨上げ最後にのど仏を拾い、遺骨を両手で持って帰る
精進落とし末席でお礼を述べ、献杯の音頭は僧侶にお願いする
初七日までお世話になった方へ、喪主自らお礼の挨拶に出向く
四十九日のころ法要と納骨、忌明けの香典返しの手配をする

全互協や全葬連が説明している流れを、喪主の動きに絞るとこの表のようになります。母が喪主の時は、出棺の挨拶や骨上げの場面で、子がそばについて支えると安心です。

『こんなにあるのか』と思った方も、当日は葬儀社の担当者が場面ごとに案内してくれます。喪主という立場の意味から知りたい時は、喪主とは?意味と葬儀での役割 を読んでみてください。

父が会社員だった時や、自営業だった時

全葬連は、在職中に亡くなった場合は勤務先にも挨拶に伺い、手続きに必要なものを確かめるよう説明しています。社員証などがあれば返却し、私物を整理して持ち帰ります。

父が加入していた健康保険によって、葬儀のあとに申請できる給付があります。国民健康保険なら葬祭費、会社の健康保険なら埋葬料で、どちらも期限は2年です。

くわしくは 喪主が受け取れる葬祭費・埋葬料 で紹介しています。

葬儀の費用と領収書

葬儀の費用を誰が払うかは、法律で「喪主が払う」と決まっているわけではありません。母、兄弟、相続人の間で話し合って決めます。

国税庁の説明では、葬儀の費用は相続税の計算で遺産から差し引ける場合があります。誰が立て替えた分も、領収書はまとめて残しておきましょう。

費用の分担は 喪主と葬儀費用の分担 で紹介しています。

母と兄弟で話し合いながら決めることが多い時こそ、段取りを丁寧に案内してくれる葬儀社に早めに相談しておくと安心です。資料を取り寄せて、費用や任せられる範囲を比べておくのも一つの方法です。

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父の葬儀の喪主でよくある相談

この章の要点

よくある相談は「父の遺言で喪主を決めていた時」「請求書は喪主宛てでも母が払いたい時」「喪主の挨拶の言い回し」の3つです。どれも、家族の合意を大切にする考え方で整理できます。

Yahoo!知恵袋でも、父の葬儀と喪主にまつわる相談が多く寄せられています。閲覧数の多いものから3つ選んで、考え方を紹介します。

相談1:父の希望で息子が喪主、母の希望で家族葬にしたい

父から生前に「喪主は息子に」と頼まれていて、母は家族葬を望んでいる、という相談です。

喪主に法律の決まりはないので、父の希望どおり息子が務めてかまいません。母を喪主にしない形でも、母の希望を葬儀の形式に反映すれば、家族の気持ちがそろいます。

家族葬にする時は、どこまでの人を呼ぶかを母と一緒に決めておくと安心です。家族葬の喪主の動きは 家族葬・一日葬の喪主 で紹介しています。

相談2:請求書は喪主宛てでも、母が払っていい?

葬儀社の請求書が喪主の自分宛てに届いたけれど、実際に払うのは母、という相談です。

葬儀の費用を誰が払うかは、法律で喪主と決まっているわけではありません。家族で合意していれば、母が払う形でもかまいません。

支払いの名義や方法で気になることがあれば、振り込む前に葬儀社に一言伝えて確かめておくと安心です。領収書は、相続税の計算に備えてまとめて保管しておきましょう。

相談3:父の葬儀の挨拶、言い回しはこれでいい?

父の葬儀で喪主の挨拶をするが、冒頭の言い回しが合っているか不安、という相談です。

全葬連は、遺族代表の挨拶は簡単なもので十分だとしています。言い回しを細かく気にするより、来てくれた人へのお礼をはっきり伝えるほうが大切です。

全互協は、出棺の挨拶に入れる内容として、自己紹介、会葬と見送りへのお礼、生前のお付き合いへの感謝、今後の支援のお願いの4つを挙げています。

「故人の長男でございます。本日は父のためにお集まりいただき、ありがとうございました」

この形で始めれば、自然に続けられます。挨拶の例文は 喪主の挨拶の例文 で紹介しています。

父の葬儀の喪主でよくある相談と、家族で決める時の考え方をまとめた図解

よくある質問

父の葬儀の喪主は、母と長男のどちらがなりますか?

全互協の説明では、喪主は普通は故人の配偶者が務めるので、慣習では母が最初の候補です。母が高齢などで負担が大きい時は、長男など子が務めることもあり、家族で話し合って決めて大丈夫です。

父親の葬式で、娘が喪主になってもいいですか?

なってかまいません。全互協は、結婚して姓が変わっていても実の娘なら喪主になってかまわないとしています。

母を喪主にして、挨拶は長男がしてもいいですか?

かまいません。全葬連は、遺族代表の挨拶は喪主か、その代理の親族がするものとしています。

父の死亡届は喪主が出しますか?

戸籍法では、届け出る人は同居の親族などと決まっていて、喪主とは限りません。実際は葬儀社が提出を代わりに行うことが多いので、打ち合わせで確かめてみてください。

喪主になると、父の遺産を多く相続できますか?

いいえ。喪主になったことを理由に相続分が増えたり減ったりする決まりはありません。相続分は法律の定めや遺言、遺産分割の話し合いで決まります。

まとめ

この記事の要点
  • 父の葬儀の喪主は、慣習では母が最初の候補で、次に子が務める
  • 母が元気か高齢か、子が何人いるかで、無理のない形を選ぶ
  • 母を喪主に立て、挨拶や打ち合わせは子が受け持つ分け方もできる
  • 兄弟では、喪主だけでなく費用や挨拶の分担まで一緒に決める
  • 死亡届は7日以内、火葬は死亡後24時間を経過してから。手続きは葬儀社に確かめる
喪主ドットコム

喪主ドットコム 編集部

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