親の葬儀の喪主は長男?兄弟で決める時の考え方

親の葬儀の喪主を兄弟で決める時の考え方を解説する記事のアイキャッチ

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親を亡くし、兄弟の間で「喪主は誰が務めるのか」という話になって、言い出しにくさを感じている方もいるはずです。まずは、心からお悔やみ申し上げます。

結論から言うと、親の葬儀の喪主は長男が務めることが多いものの、それは慣習の目安です。弟や長女、親と暮らしていた子が務めてもかまいません。

この記事では、長男・弟・長女・同居の子がそれぞれ喪主になる根拠と、兄弟で角を立てずに決める進め方が分かります。

目次

親の葬儀の喪主は長男?目安であって決まりではありません

先に結論

親の葬儀の喪主は、もう一方の親が健在ならその親、いなければ子の中から決めるのが一般的です。子の中では長男が先という順番がありますが、法律の決まりではありません。

全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)は、喪主は一般的に故人の配偶者、長男、長女、親、兄弟の順で、故人とのつながりが深い人を選ぶと説明しています。父が亡くなって母が健在なら母、両親ともいなくなった時は子、という流れですね。

『長男が喪主をやらないといけないんでしょ?』と思っている方も多いですよね。実は、喪主を誰にするかを定めた法律はないんです。

法律で決まっているのは、死亡届を出す人や、お墓や仏壇を受け継ぐ祭祀承継者、財産を受け継ぐ相続人です。どれも喪主とは別のものとして決まっています。

立場決まり方長男かどうかとの関係
喪主慣習と家族の話し合い長男が先という順番は慣習の目安
死亡届の届出人戸籍法で同居の親族が最初と定められている長男とは限らない
祭祀承継者民法897条。慣習や故人の指定で決まる長男と決まっているわけではない
相続人民法の決まり・遺言・遺産分割の話し合い喪主かどうかで取り分は変わらない

喪主になったから財産を多く受け取れるわけでも、喪主でないから何も関われないわけでもありません。ここを分けて考えると、兄弟で話し合う時の気持ちがずいぶん楽になります。

長男が先とされてきた背景

全互協は、配偶者がいなければ同姓の子が喪主になるとも書いています。家の名前を継ぐ子が葬儀を出す、という昔からの考え方の名残です。

一方で全互協は、結婚して姓が変わっていても、故人の実の娘であれば喪主になってかまわないとも説明しています。昔の考え方と今の考え方が、両方とも残っているんですね。

祭祀承継者と喪主は同じ人?

お墓や仏壇を誰が受け継ぐかも、兄弟の間で気になる話ですよね。民法897条は、お墓や仏壇などは慣習に従って祖先の祭祀を主宰する人が受け継ぎ、故人の指定があればその人が受け継ぐと定めています。

慣習がはっきりしない時は、家庭裁判所が決めるともしています。喪主とは別の決まりなので、喪主と祭祀承継者が別の人でもかまいません。

ただ、同じ人が兼ねると、葬儀から法事、お墓の管理までの流れがつながりやすくなります。くわしくは喪主と相続人・祭祀承継者の関係で紹介しています。

喪主の決め方の全体は、喪主の決め方でくわしく紹介しています。

長男・弟・長女・同居の子、それぞれの根拠を比べる

この章の要点

「誰が喪主になるか」は、慣習から見た理由と、実務から見た理由の両方で考えると決めやすくなります。慣習では長男が先、実務では親の近くにいた子が動きやすい、という違いがあります。

兄弟の誰が喪主になるか迷う時は、「なぜその人なのか」を言葉にしてみるのがおすすめです。慣習の面と、葬儀の段取りを進める実務の面に分けて比べてみます。

長男・弟・長女・同居の子について、慣習から見た理由と実務から見た理由を並べて比べた図解
立場慣習から見た理由実務から見た理由一緒に考えたいこと
長男一般的な順番で子の最初の候補親族が「長男が喪主」と受け止めやすい遠方なら近くの兄弟に窓口を頼む
次男・弟長男に事情がある時の次の候補親の近くに住み、すぐ動けることが多い長男の気持ちを確かめておく
長女・次女姓が変わっても実の娘なら務められる親の身の回りの世話をしていたことが多い嫁ぎ先の予定や気持ちも聞く
同居していた子故人と最も縁が深いと言える死亡届の届出も、まず同居の親族ほかの兄弟と役割を分ける

例えば、長男が遠方に住み、次男が親と同居していた場合はこんな話し合いになることがあります。

「喪主は兄さんにお願いして、葬儀社さんとのやりとりは自分がやろうか」
「いや、親父のことは一番よく知っているお前が喪主でいいよ。挨拶の手伝いはするから」

どちらの答えでも間違いではありません。兄弟が納得していることが、何より大切なんです。

長男が遠方に住んでいる時

長男が遠くに住んでいて、亡くなった直後にすぐ駆けつけられないこともあります。そんな時の分け方は、大きく2つあります。

1つは、長男を喪主にして、親の近くに住む兄弟が葬儀社との窓口を受け持つ形です。もう1つは、近くに住む兄弟が喪主になり、長男には挨拶や親族への連絡をお願いする形です。

全互協は、葬儀の日取りは僧侶や火葬場の都合、遠方の親族の到着時間などを考えて決めると説明しています。長男の到着を待って日程を組むこともできるので、葬儀社に相談してみてください。

弟が喪主になる時

『兄がいるのに、弟の自分が喪主をしていいのかな』と悩む方もいます。家族で話し合って決めたことなら、弟が喪主を務めても問題ありません。

親と同居していた、近くに住んでいて段取りを進めやすい、兄が仕事でどうしても休めない。弟が喪主になる理由はさまざまです。

「兄さんに相談なんだけど、今回は自分が喪主を務めてもいいかな。兄さんには親族への連絡をお願いしたいんだ」

このように、兄に役割をお願いしながら話すと、兄の立場も大事にできます。

長女・次女が務める時

息子がいない家や、娘が親の世話をしてきた家では、長女や次女が喪主を務めることもよくあります。全互協も、姓が変わった実の娘が喪主になってかまわないと説明しています。

娘が喪主になる時の挨拶や服装は、女性が喪主になる時で紹介しています。

親と同居していた子が務める時

戸籍法87条は、死亡届の届出義務者の順番として、最初に同居の親族を挙げています。親と一緒に暮らしていた子は、亡くなった直後から手続きの中心になりやすいんです。

実際の死亡届の提出は、葬儀社が代行することが多いです。それでも、親の暮らしぶりや交友関係を一番よく知っているのは、同居していた子であることが多いですよね。

慣習を重んじて長男が務める
  • 親族に受け止めてもらいやすい
  • 年長の親族への説明が少なくてすむ
  • 遠方なら窓口役を別に立てると動きやすい
事情に合わせてほかの子が務める
  • 親の近くにいた子がすぐ動ける
  • 親の交友関係を把握している
  • 親族には理由を短く伝えておくと安心

どちらがよい、悪いという話ではありません。家族に合う形を選んでみてください。

片方の親が健在な時と、両親ともいない時

この章の要点

父が亡くなり母が健在なら母、母が亡くなり父が健在なら父が最初の候補です。両親ともいなくなった時の親の喪主は、子の中から決めます。

親の葬儀といっても、もう一方の親が健在かどうかで、喪主の候補は変わります。よくある形を表にしました。

場面喪主の候補の例子の役割の例
父が亡くなり、母が元気母葬儀社とのやりとりや連絡を担う
父が亡くなり、母が高齢母、または子母を立てて段取りを担う
母が亡くなり、父が元気父親族への連絡や受付を手配する
母が亡くなり、父が高齢父、または子挨拶を代わることもある
両親ともいなくなった子の中で話し合って決めた人ほかの兄弟が窓口や会計を担う

父の葬儀の場合は父の葬儀の喪主、母の葬儀の場合は母の葬儀の喪主で、それぞれ詳しく紹介しています。

喪主になった子が当日すること

兄弟の誰が喪主になっても、当日の流れは同じです。主な場面での喪主の役割を、ほかの兄弟が支えやすいことと並べました。

場面喪主がすることほかの兄弟が支えやすいこと
通夜弔問を受け、通夜ぶるまいの最後に挨拶する受付や会計、僧侶の出迎え
葬儀・告別式最初に焼香し、出棺の時に挨拶する遺影を持つ、参列者の案内
火葬場骨上げで、最後にのど仏を拾う親族の移動や待ち時間の気配り
精進落としお礼を述べ、僧侶に献杯をお願いする席の案内、引き継ぎの準備

全葬連は、焼香は喪主から始まり、遺族、親族、一般参列者の順になると説明しています。全互協は、骨上げでは最後に喪主がのど仏を拾うとしています。

健在の親を喪主にして子が支える

もう一方の親が高齢でも、「最後まで自分が見送りたい」と話すことがあります。そんな時は、親を喪主として立てて、子が段取りを受け持つ形がよく選ばれます。

全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)のQ&Aでは、遺族代表の挨拶は喪主か、その代理の親族がするとされています。親が喪主で、挨拶だけ長男や長女が代わる形もできるんです。

離婚した親や、離れて暮らした親の場合

親が離婚していて、離れて暮らしていた親の葬儀で喪主を頼まれることもあります。親が離婚しても、親子の関係は続きます。

離れて暮らした期間が長いと、引き受けるか迷いますよね。考え方は離婚した親の葬儀の喪主で紹介しています。

兄弟二人で喪主を務める選択肢

兄弟のどちらか一人に決めにくい時は、二人で喪主を務める形もあります。喪主を一人にしなければならないという法律はありません。

挨拶の分け方や、通知状の名前の出し方は、喪主は2人でもいい?で紹介しています。

子が未成年の時

親が若くして亡くなり、子がまだ未成年のこともあります。全互協は、未成年者が喪主になる時は後見人を立てるとしています。親族の大人が支える形で進めて大丈夫です。

兄弟で喪主を決める時の進め方

この章の要点

兄弟での話し合いは、葬儀社との打ち合わせの前に短くすませるのが理想です。誰がなるかより先に、誰が何をするかを話すと、まとまりやすくなります。

親を亡くした直後は、兄弟それぞれが気持ちの整理もつかないまま話し合うことになります。だからこそ、話す順番を決めておくと楽なんです。

親の希望の確認から喪主と窓口役を決めるまで、兄弟で喪主を決める流れを順に示した図解
兄弟で喪主を決める流れ
  1. 親が生前に葬儀や喪主について話していたことがないか確かめる
  2. もう一方の親が健在なら、務められそうか本人に聞く
  3. 子の中で候補を1〜2人出し、本人の気持ちを聞く
  4. 住まいの距離や仕事の休みなど、動きやすさを確かめる
  5. 喪主と窓口役、会計や連絡の係を決めて葬儀社に伝える
話し合いの前に共有しておきたいこと
  • 親が葬儀の規模や形について希望を話していたか
  • 菩提寺(お付き合いのあるお寺)があるか
  • それぞれの住まいの距離と、休みが取れる日数
  • 費用をどう分けるか、親の預金から出すか
  • 親族の中で連絡が必要な人の範囲

喪主と費用は分けて考える

『喪主になったら、費用も全部自分が払うの?』と不安になる方もいますよね。喪主だから費用を全部払うと法律で決まっているわけではありません。

費用は、兄弟で分けたり、親の預金から出したりと、家によってさまざまです。喪主を決めるのと同じタイミングで、費用の分け方も話しておくと安心です。

考え方の詳細は、喪主と葬儀費用で紹介しています。

角が立ちにくい切り出し方

「長男なんだから兄さんがやるべきだよ」と決めつけると、相手の事情が見えなくなってしまいます。まずは、相手の都合を聞く形で話し始めるのがおすすめです。

「葬儀社さんに喪主を聞かれているんだけど、兄さんはこの数日、動けそう?」

このように聞けば、相手も自分の事情を話しやすくなります。

親族から意見が出た時

おじやおばなど親族から「長男が喪主をやるべきだ」と意見が出ることもあります。親族も、故人を大事に思うからこその言葉なんですよね。

気持ちを受け止めつつ、兄弟で決めた理由を短く伝えれば十分です。

「父と一緒に暮らしていたので、今回は私が務めることにしました。兄にも挨拶を手伝ってもらいます」

理由が分かれば、多くの親族は納得してくれます。

話し合いを長引かせない

喪主が決まらないと、葬儀社との打ち合わせが進みにくくなります。まとまらない時は、まず打ち合わせの窓口役だけ決めて、喪主の名前は同じ日のうちに決めるくらいの気持ちで進めてみてください。

葬儀社に相談しながら決めてもいい

兄弟の意見がまとまらない時は、葬儀社の担当者に同席してもらうのも一つの方法です。ほかの家ではどう決めることが多いかを聞くと、落ち着いて考えやすくなります。

段取りを任せられる葬儀社に早めに相談しておくと、慌てずにすみます。いざという時の相談先を、資料で比べておくのもおすすめです。

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親の葬儀の喪主でよくある相談

この章の要点

親の葬儀の喪主については、「長男長女が喪主を断るのは非常識か」「事情があって長男以外が務めるのはありか」「喪主は長男がやらないといけないのか」「挨拶で話す思い出が浮かばない」という相談がよく寄せられます。要約して、考え方をお伝えします。

相談1:長男や長女が親の喪主を断ってもいい?

長男や長女という立場なのに、親の葬儀で喪主を引き受けないのはおかしいことなのか、という相談です。

喪主を務めるかどうかは、法律で決まった義務ではありません。体調や仕事、親との関係など、事情があって引き受けにくいこともあります。

断る時は、理由を短く伝え、代わりに引き受けられることを添えると、兄弟も受け止めやすくなります。

「今回は喪主を引き受けるのが難しいんだ。その代わり、親族への連絡と受付はやらせてほしい」

喪主ではなくても、葬儀を支える方法はたくさんあります。

相談2:家族の事情で、長男ではなく次女が務めるのはあり?

家族の間の事情があって、父の葬式の喪主を長男ではなく次女が務めるのはありなのか、という相談です。

全互協は、姓が変わっていても実の娘であれば喪主になってかまわないと説明しています。家族で話し合って決めたことなら、次女が務めても問題ありません。

親族から理由を聞かれた時は、詳しい事情まで話す必要はありません。「家族で相談して、今回は次女が務めることにしました」と伝えれば十分です。

相談3:親の葬式の喪主は、長男がやらないといけない?

親が高齢になってきて、葬式の喪主は長男がやらないといけないのか気になっている、という相談です。

一般的な順番では、もう一方の親が健在ならその親、いなければ長男が先とされています。ただ、それは慣習の目安で、長男でなければいけないという決まりはありません。

前もって気になっているなら、親が元気なうちに家族で少し話しておくのもおすすめです。事前にできる準備は喪主になる前にできる準備で紹介しています。

相談4:挨拶で話したい思い出が浮かばない

親の葬式で喪主として挨拶をする時、生前の思い出を話すものだと思うけれど、人前で話したいことが浮かばない、という相談です。

全葬連のQ&Aでは、会葬者も遺族の辛さは察しているので、挨拶は簡単なもので十分だとされています。思い出話を入れなくても、お礼の気持ちが伝われば大丈夫です。

全互協は、出棺の挨拶のポイントとして、自己紹介、会葬と見送りへのお礼、生前の厚誼への感謝、今後の支援のお願いの4つを挙げています。この4つを短くつなぐだけでも、きちんとした挨拶になります。

相談考え方の要点
長男長女が喪主を断る義務ではない。代わりにできることを伝える
長男以外が務める家族で話し合って決めればよい
長男でないとだめか慣習の目安。決まりではない
挨拶の思い出が浮かばないお礼が伝われば十分。4つのポイントでまとめる

よくある質問

親の葬儀の喪主は、長男がするものですか?

長男が先という順番は慣習の目安です。もう一方の親が健在ならその親が最初の候補で、子の中では家族の話し合いで決めてかまいません。

弟が喪主を務めてもいいですか?

はい。親と同居していた、近くに住んでいるなどの事情で、弟が喪主を務めることもあります。兄の気持ちも確かめておくと安心です。

親の葬式の喪主を、嫁いだ娘がしてもいいですか?

全互協は、結婚して姓が変わっていても実の娘であれば喪主になってかまわないと説明しています。

喪主になった子が、相続で多くもらえますか?

喪主かどうかで相続分が変わる決まりはありません。相続は民法の決まりや遺言、遺産分割の話し合いで決まります。

親の喪主を兄弟二人で務めることはできますか?

喪主を一人にしなければならない法律はないので、二人で務める形もあります。挨拶の分け方などは葬儀社と相談して決めましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 親の葬儀の喪主は、もう一方の親が健在ならその親が最初の候補
  • 子の中では長男が先とされるが、慣習の目安で決まりではない
  • 弟・長女・同居の子が務める理由も、慣習と実務の両面から説明できる
  • 喪主と費用・相続は別に考えてよい
  • 兄弟で話す時は、誰がなるかより先に誰が何をするかを話す

親を見送る時間は、兄弟にとっても大切な時間です。誰が喪主になっても、役割を分け合いながら、親をきちんと送り出してあげてください。

喪主ドットコム

喪主ドットコム 編集部

喪主の意味や決め方、葬儀の流れと当日の役割、挨拶やお礼、費用と公的な給付、法事の施主の準備までを、急に喪主を務めることになった方にも分かるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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