喪主がいない・喪主なしの葬儀|家族葬や身寄りがない時の進め方

喪主なしの葬儀の進め方を解説する記事のアイキャッチ

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葬儀社から喪主を聞かれたけれど、立てられる人が見当たらない。そんな状況で戸惑っている方もいるはずです。

結論から言うと、喪主なしの葬儀でも進めることはできます。喪主は法律で決まった役職ではないからです。

ただ、喪主がいない理由によって、次にすることは変わります。この記事では、よくある3つのケースごとの進め方と相談先が分かります。

目次

喪主なしの葬儀はできる?まず3つのケースに分けてみる

先に結論

喪主がいなくても葬儀はできます。ただ「誰が葬儀社と話すか」「誰が費用を払うか」は、喪主がいてもいなくても決める必要があります。

『喪主がいない葬儀なんて、できるの?』と不安になりますよね。実は、喪主を立てることを定めた法律はないんです。

法律で決まっているのは、死亡届を出す人の順番や、火葬に市町村長の許可がいることなどです。喪主の名前がなくても、こうした手続きは進められます。

喪主は、葬儀で遺族を代表して弔問を受ける人のことです。そもそもの意味は喪主とは?意味と役割で紹介しています。

とはいえ、「喪主がいない」と一口に言っても、事情はさまざまです。この記事では次の3つに分けて考えてみます。

喪主がいない理由を、家族葬で立てない・引き受け手がいない・身寄りがないの3つのケースに分け、次の一手を示した図解
ケースよくある状況次の一手主な相談先
1 形式上いない家族葬で、家族全員で送りたい代表して葬儀社と話す人を一人決める葬儀社
2 引き受け手がいない家族はいるが、高齢・遠方などで務めにくい喪主の役目を分けて、できる人に割り振る葬儀社・親族
3 身寄りがない親族がいない、または連絡がつかない市区町村の窓口に相談する市区町村・福祉事務所

自分の状況がどれに近いかを先に決めておくと、迷う時間がぐっと減ります。順に見ていきましょう。

ケース1:家族葬で喪主を立てない時

この章の要点

家族葬で喪主なしにする時は、名前の上では「家族一同」などにして、葬儀社とのやりとりと支払いを受け持つ代表を一人決めておきます。

家族と親しい親族だけで送る家族葬では、『みんなで送るのだから、誰か一人を喪主にしなくても』と考える方もいます。家族葬で喪主なしにする形も、選べないわけではありません。

ただ、喪主がいないと決まらないことがいくつかあります。代わりに誰が受け持つかを先に決めておくと安心です。

喪主が受け持つことが多いこと喪主を立てない時の代わり方の例
葬儀社との打ち合わせ代表して話す家族を一人決める
通知状や会葬礼状の名前「家族一同」などにするか葬儀社に相談
香典の受け取り受け取るかどうか、誰が管理するかを決める
挨拶家族の誰かが短く話す。省くこともある
葬儀費用の支払い支払う人と、後でどう分けるかを決める

名前の出し方は葬儀社に相談する

全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)は、葬儀の通知状は喪主の名前で出すので、まず喪主を決めると説明しています。喪主を立てない時は、この名前の欄をどうするかを葬儀社と決めることになります。

「喪主は立てずに、家族みんなで送りたいと考えています。礼状などの名前はどうするのがよいでしょうか」

こう聞けば、ほかの家族がどうしているかを教えてもらえることが多いです。

家族葬で喪主なしにする時の挨拶の例

喪主を立てない家族葬でも、最後に家族の誰かが一言お礼を伝えると、場が落ち着きます。長い挨拶はいりません。

「本日は、父を一緒に見送っていただき、ありがとうございました。家族みんなで送ることができ、父も喜んでいると思います」

話す人が決まらない時は、葬儀社の担当者に「家族の誰かが一言だけ話したい」と伝えておくと、話すタイミングを作ってもらえます。

葬祭費の申請では「葬祭を行った人」が必要

国民健康保険の加入者が亡くなった時、市区町村から葬祭費が出る場合があります。受け取れるのは「葬祭を行った方」とされています。

例えば横浜市は、必要な書類として「喪主の確認ができる書類」を挙げ、葬儀店の領収書や会葬礼状などを例に出しています。喪主を立てない時も、領収書の宛名を誰にするかは決めておきましょう。

よくある失敗

支払いを家族の何人かでばらばらに済ませ、領収書の宛名もばらばらになってしまうことがあります。後で葬祭費の申請や費用の分け方で困らないよう、支払う人を一人にまとめておくと安心です。

葬祭費や埋葬料のくわしい申請先は、喪主が受け取れる葬祭費・埋葬料で紹介しています。家族葬の呼ぶ範囲や当日の動きは、家族葬・一日葬・密葬の喪主にまとめています。

ケース2:家族はいるけれど引き受け手がいない時

この章の要点

喪主がいない理由が「務めるのが難しい」なら、喪主の役目を細かく分けてみてください。名前だけ・挨拶だけ・窓口だけ、なら引き受けられる人が見つかることもあります。

配偶者が高齢だったり、子が遠方に住んでいたりして、『誰も喪主を務められない』と感じることもありますよね。そんな時は、喪主の仕事をひとまとめで考えないのがコツです。

全互協は、喪主の第一の役目は弔問を受けることで、実際の運営は親類や友人などに世話役(せわやく)を頼む場合もあると説明しています。世話役は、受付や会計などの裏方を受け持つ人のことです。

喪主の役目を名前・挨拶・窓口・支払い・お寺とのやりとりに分け、それぞれ代わりにできる人の例を示した図解
喪主の役目代わりにできる人の例
名前を出す高齢の配偶者など、故人と縁の深い人
挨拶子や親族の代表。代理の親族でもよい
葬儀社との窓口故人の近くに住む家族
費用の支払い相続人どうしで話し合って決めた人
お寺や神社とのやりとりお付き合いのある家族

全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)のQ&Aでも、遺族代表の挨拶は喪主か、その代理の親族がするとしています。挨拶が苦手だから喪主を引き受けられない、という人には、挨拶を別の人が受け持つと伝えてみてください。

高齢の親を名前だけの喪主にする形

例えば、父が亡くなり、母が高齢の場合です。母を喪主として名前を出し、子が窓口と挨拶を受け持つ形がよく見られます。

「お母さんはそばにいてくれればいいからね。葬儀社さんとの話は私がするよ」

このように伝えると、母も安心して故人のそばにいられます。

二人で分けて務める形

一人で背負うのが難しい時は、二人で務める方法もあります。喪主の人数を決めた法律はないので、兄弟で共同喪主にすることもできます。くわしくは喪主は二人でもいい?で紹介しています。

子がみな遠方に住んでいる時

親の近くに子が住んでいないと、亡くなった直後に駆けつけるのも大変です。この場合は、遠方の子の一人を喪主にして、打ち合わせは電話やオンラインで済ませ、当日に合わせて現地へ向かう形もあります。

『遠くにいる自分が喪主でいいのかな』と気にする方もいます。ただ、葬儀社が近くで段取りを進めてくれるので、喪主が現地にずっといなくても準備は進められます。

誰も名前を出したくない時

家族の誰もが名前を出すことに迷う場合は、ケース1と同じように「家族一同」などで進める形もあります。誰を喪主にするかの考え方は、喪主の決め方も参考にしてみてください。

喪主にならなくても相続は変わらない

喪主になったから相続分が増える、喪主を断ったから減る、という決まりは民法にありません。お金の心配から喪主を避けている時は、そこを分けて考えてみてください。

ケース3:身寄りがない時の進め方

この章の要点

亡くなった方に身寄りがない、または親族と連絡がつかない時は、市区町村の窓口に相談します。葬儀を行う人がいない時は、法律で市町村長が行うことになっています。

親族がいない方が亡くなった時、近くにいた知人や家主が『自分が何かしないといけないの?』と戸惑うこともあります。まずは、法律が何を決めているかを見てみましょう。

法律決めていること
戸籍法87条死亡届を出す人の順番。同居の親族、その他の同居者、家主・地主・管理人の順
墓地埋葬法9条埋葬や火葬を行う人がいない、または分からない時は、死亡地の市町村長が行う
生活保護法18条一定の場合に、葬祭を行う人に葬祭扶助を出すことができる

戸籍法87条は、同居の親族以外の親族や後見人なども死亡届を出せると定めています。死亡届を出す人と喪主は、別のものなんです。

葬儀を行う人がいない時は市町村が対応する

墓地埋葬法9条は、埋葬や火葬を行う人がいない時や分からない時は、亡くなった場所の市町村長が行わなければならないと定めています。身寄りがない方の場合、まずは市区町村の窓口に連絡して流れを確かめてみてください。

生活保護を受けていた方が亡くなった時

亡くなった方が生活保護を受けていて、葬儀を行う扶養義務者がいない時は、家主や知人などが葬儀を行う場合に、その人に葬祭扶助が出ることがあります。葬祭扶助は、火葬など葬儀に必要な費用を生活保護から出す仕組みです。

相談先は、住んでいた市区町村の福祉事務所です。葬儀社と契約する前に、まず福祉事務所に相談しておきましょう。くわしくは生活保護の葬儀と喪主で紹介しています。

身寄りがない方が亡くなった時の流れ
  1. 亡くなった場所の市区町村の窓口に連絡する
  2. 生活保護を受けていた方なら福祉事務所にも相談する
  3. 葬儀を行う人がいるか、いないかを伝える
  4. 案内に沿って、火葬や遺骨の扱いを確かめる

自治体ごとに運用は違うので、ここでの流れはあくまで目安です。窓口の案内を優先してください。

知人や家主の立場でできること

身寄りのない方と親しかった知人や、住まいの家主が、最初に亡くなったことを知る場合もあります。そんな時は、一人で抱え込まずに市区町村の窓口へ連絡するのが第一歩です。

『自分が葬儀まで出さないといけないの?』と不安になりますよね。法律の上で、知人が喪主を務める義務はありません。

もし自分で見送りたい気持ちがあるなら、その気持ちを窓口や福祉事務所に伝えて、どこまで関われるかを相談してみてください。

喪主なしでも、ここだけは決めておきたい

この章の要点

喪主がいてもいなくても、「葬儀社と話す人」「支払う人」「挨拶する人」「香典をどうするか」は決める必要があります。時間の流れに沿って確かめていくと漏れにくくなります。

喪主を立てないと決めても、葬儀の準備は待ってくれません。決めることを時間の順に並べると、次のようになります。

いつ決めること誰が決めるかの例
亡くなった直後葬儀社への連絡、安置の場所近くにいる家族
打ち合わせ規模・日取り・宗派、代表して話す人家族で相談
打ち合わせ通知状や会葬礼状の名前代表と葬儀社
通夜・葬儀の前挨拶をするか、誰がするか家族で相談
通夜・葬儀の前香典を受け取るか、管理する人代表
葬儀のあと支払い、葬祭費などの申請支払った人
喪主なしで進める前に確かめること
  • 葬儀社と話す代表を一人決めたか
  • 支払う人と、領収書の宛名を決めたか
  • 通知状や会葬礼状の名前の出し方を相談したか
  • 香典を受け取るか、辞退するかを決めたか
  • 菩提寺(お付き合いのあるお寺)に伝える人を決めたか

香典を受け取るかどうか

全互協は、香典の宛先は喪主だと説明しています。喪主を立てない時は、香典を受け取るか、辞退するかを先に決めておくと、参列する人も迷わずにすみます。

受け取る場合は、管理する人を一人決めておきましょう。辞退する場合は、通知の時に「香典は辞退いたします」と添えておくと伝わりやすいです。

親族に「喪主なし」を伝える時の言い方

喪主を立てないと決めた時、親族から『誰が仕切るの?』と聞かれることもあります。代表して話す人を一緒に伝えておくと、相手も安心します。

「今回は喪主を立てずに、家族みんなで送ることにしました。葬儀のことは長女の私が窓口になりますので、何かあればご連絡ください」

理由をくわしく話す必要はありません。誰に連絡すればいいかが分かれば、たいていの親族は納得してくれます。

親族から「やっぱり喪主はいたほうが」と言われた時も、責めずに受け止めてみてください。名前だけ高齢の家族に出してもらう形に切り替えることもできます。

お寺や神社への連絡

お付き合いのあるお寺(菩提寺)や神社がある時は、喪主を立てないことも含めて早めに伝えておきましょう。誰がお寺とやりとりするかを決めておくと、読経の日取りやお礼の相談もスムーズです。

地域や宗派で考え方が違うこともあるので、迷ったら菩提寺に直接たずねてみてください。

火葬だけで送る形も選べる

通夜や告別式を行わず、火葬だけで送る形もあります。喪主を立てにくい事情がある時に選ばれることもあり、直葬・火葬式の喪主で進め方を紹介しています。

喪主がいない状態で、葬儀社選びから段取りまで決めていくのは大変ですよね。段取りを任せられる葬儀社に早めに相談しておくと、喪主を立てない形でどう進めるかも一緒に考えてもらえます。

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喪主がいない葬儀でよくある相談

この章の要点

「喪主のいない葬儀は可能か」「喪主を立てていない葬儀で香典はどうするか」「夫婦二人暮らしで一人残された時の喪主は」という相談がよく寄せられます。要約して考え方をお伝えします。

相談1:将来、喪主を務める人がいないかもしれない

子や孫が親の葬儀の喪主を務めることに気が進まない様子で、喪主のいない葬儀は可能なのか、という相談です。

喪主を立てることを決めた法律はないので、喪主のいない葬儀も進め方はあります。ただ、葬儀社と話す人と支払う人は、誰かが受け持つことになります。

本人が元気なうちに、葬儀社に事前相談をしておく方法もあります。どんな形で送ってほしいかを家族と共有しておくと、残される人の迷いも減ります。事前にできる準備は喪主になる前にできる準備で紹介しています。

相談2:喪主を立てていない葬儀に参列する。香典は渡す?

故人の遺産で葬儀を行い、喪主を立てていない葬儀に参列する。香典は渡したほうがいいのか、という相談です。

喪主がいなくても、遺族が香典を受け取ることはあります。案内に「香典辞退」とあれば渡さず、特に書かれていなければ、受付や遺族に確かめるのが無難です。

『聞いたら失礼かな』と思うかもしれません。ただ、遺族の意向に合わせたいという気持ちで聞けば、失礼にはなりにくいです。

相談3:夫婦二人暮らし。一人残された時の喪主は?

子のいない夫婦二人暮らしで、どちらかが先に亡くなれば残った方が喪主になる。では、残された一人が亡くなった時の喪主はどうなるのか、という相談です。

全互協の一般的な順番では、配偶者、子の次は親、兄弟姉妹です。兄弟姉妹やその子に頼めるか、元気なうちに話しておくと安心です。

頼める親族がいない時は、ケース3のように市区町村の窓口が対応することになります。生前に葬儀社へ相談しておく方法もあります。

例えば「甥に連絡だけはお願いしたい」と伝えておくだけでも、残された時の動きはずいぶん変わります。どこまで頼めるかは相手の事情もあるので、無理のない範囲で話してみてください。

相談考え方の要点
喪主を務める人がいない喪主なしでも進め方はある。事前相談で希望を残す
喪主のいない葬儀の香典案内を確かめ、分からなければ受付で聞く
夫婦二人暮らしの後兄弟姉妹やその子に相談。いなければ市区町村へ

よくある質問

喪主なしの葬儀で、挨拶は誰がしますか?

家族の誰かが代表して短く話す形が多いです。全葬連のQ&Aでも、遺族代表の挨拶は喪主か代理の親族がするとしており、少人数なら挨拶を省くこともあります。

家族葬で喪主なしにすると、親族に失礼になりますか?

決まりの上での問題はありません。気になる時は、通知の時に「家族みんなで送ることにしました」と一言添えると伝わりやすいです。

喪主がいない時、死亡届は誰が出しますか?

戸籍法87条で、同居の親族、その他の同居者、家主などの順で届出義務者が決まっています。喪主かどうかとは別で、実際には葬儀社が提出を代行することも多いです。

身寄りのない知人が亡くなりました。私が喪主になる必要はありますか?

決まりはありません。まずは亡くなった場所の市区町村の窓口に連絡して、流れを確かめてみてください。

喪主がいないと、お寺に葬儀を頼めませんか?

頼むことはできます。お寺とやりとりする家族の代表を決めて、喪主を立てないことを伝えておくと話が進めやすいです。

まとめ

この記事の要点
  • 喪主は法律上の役職ではないので、喪主なしの葬儀でも進められる
  • 家族葬で立てない時は、代表して話す人と支払う人を一人決める
  • 引き受け手がいない時は、喪主の役目を分けてできる人に割り振る
  • 身寄りがない時は市区町村の窓口へ。生活保護を受けていた方なら福祉事務所にも
  • 香典・礼状の名前・領収書の宛名は、喪主がいなくても決めておく

喪主がいないことは、送り出す気持ちが足りないということではありません。今の家族にできる形で、故人を見送ってあげてください。

喪主ドットコム

喪主ドットコム 編集部

喪主の意味や決め方、葬儀の流れと当日の役割、挨拶やお礼、費用と公的な給付、法事の施主の準備までを、急に喪主を務めることになった方にも分かるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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