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兄弟のどちらが喪主をするか決めきれず、『いっそ二人でできないかな』と考えている方も多いはずです。
結論から言うと、喪主二人という形に決まりの上での問題はありません。大切なのは、名前の出し方と挨拶の分担を先に決めておくことです。
この記事では、二人で務める3つの形の違いと、場面ごとの挨拶の分け方が分かります。
喪主は二人でもいい?決まりはあるの?
喪主は法律で定められた役職ではないので、喪主が二人でもかまいません。共同喪主という形を選ぶ家族もいます。
『喪主は一人と決まっているんじゃないの?』と思いますよね。実は、喪主の人数を決めた法律や公的なルールはないんです。
法律が定めているのは、死亡届を出す人や、お墓や仏壇を受け継ぐ祭祀承継者(さいしけいしょうしゃ)、財産を受け継ぐ相続人です。喪主はそのどれとも別のものです。
全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)は、喪主を「葬儀の最高責任者であり、弔問を受ける中心になる人」と説明しています。つまり、喪主は遺族の代表として、来てくれた人を迎える役なんです。
| 立場 | 決まり方 | 人数の決まり |
|---|---|---|
| 喪主 | 慣習と家族の話し合い | 決まりはない |
| 死亡届の届出人 | 戸籍法で同居の親族などの順 | 届出をする人がいればよい |
| 祭祀承継者 | 民法897条。慣習や故人の指定 | お墓や仏壇を受け継ぐ人 |
| 相続人 | 民法の決まり・遺言・話し合い | 喪主かどうかで取り分は変わらない |
それでも喪主が一人のことが多い理由
全互協は、葬儀の通知状は喪主の名前で出すので、まず喪主を決めると説明しています。打ち合わせの相手や、名前を載せる場所が一人だと分かりやすいので、一人に決める家が多いんですね。
ただ、分かりやすさのために一人にしているだけで、二人ではいけない理由にはなりません。家族の事情に合う形を選んでかまいません。
一般的な喪主の順番や決め方は、喪主の決め方で紹介しています。喪主という立場そのものは、喪主とは?意味と役割にまとめています。
喪主が二人の時の3つの形を比べてみました
「喪主を二人にしたい」という時の形は、大きく分けて共同喪主、喪主と施主、喪主と実務担当の3つです。名前の出し方と挨拶の分担が少しずつ違います。
喪主2人と言っても、実際の形はひとつではありません。この記事では、よくある形を3つに分けて比べてみました。

| 比べること | 共同喪主 | 喪主と施主 | 喪主と実務担当 |
|---|---|---|---|
| 名前の出し方 | 二人を並べて喪主とする | 一人を喪主、一人を施主とする | 喪主は一人。もう一人は親族として |
| 主な挨拶 | 場面ごとに分ける | 喪主が中心。施主が補う | 喪主が中心 |
| 葬儀社との窓口 | どちらか一人に決める | 施主が受け持つことが多い | 実務担当が受け持つ |
| 向いている家族 | 兄弟姉妹で同じくらい関わってきた | 高齢の親と子で役割を分けたい | 名前は一人にまとめたい |
共同喪主:二人を並べて立てる形
兄弟姉妹が二人で親を見送る時などに選ばれる形です。二人とも喪主として名前を出し、挨拶や役目を場面ごとに分けます。
「どちらか一人に決めると角が立つ」という時に、気持ちよく収まりやすいのが良いところです。ただ、葬儀社からの確認ごとが二人に分かれると迷いやすいので、窓口だけは一人に決めておきましょう。
喪主と施主:代表と責任者を分ける形
全互協は、喪主を「葬儀を執行する当主」、施主を「法事または葬儀などを行う責任者」と説明しています。一般的な葬儀では喪主が施主を兼ねます。
例えば、母が高齢の場合に、母を喪主として弔問を受ける役にし、長男が施主として費用や段取りを受け持つ形です。喪主と施主の違いは喪主と施主の違いでくわしく紹介しています。
どの形を選ぶか迷った時の目安
『うちはどれが合うんだろう』と迷う方もいますよね。次のように考えると選びやすくなります。
- 兄弟姉妹が同じくらい故人を支えてきた時は、共同喪主
- 高齢の親を代表に立てたい時は、喪主と施主
- 名前は一人にまとめ、作業だけ分けたい時は、喪主と実務担当
例えば、父が亡くなり、兄が遠方に住み、妹が父の近くで暮らしていた場合を考えてみます。兄を喪主、妹を実務担当にする形も、二人を共同喪主にする形も選べます。
「挨拶は兄さんにお願いして、葬儀社とのやりとりは私がするね」
「助かるよ。名前は二人で出そうか」
こんなふうに、話しながら形を決めていく家族も多いんです。
喪主と実務担当:名前は一人、動くのは二人
名前の上では喪主を一人にして、もう一人が葬儀社とのやりとりや親族への連絡を担う形です。実は、いちばん多く見られるのはこの形かもしれません。
全互協も、喪主は弔問を受けるのが第一の役目なので故人のそばを離れたくない、と説明しています。そのため、運営は親族などに世話役(せわやく)を頼むこともあります。世話役は、受付や会計など葬儀の裏方を受け持つ人のことです。
- 負担を分けられ、一人が倒れそうになりにくい
- 兄弟姉妹の気持ちのバランスが取りやすい
- 遠方の人と近くの人で役割を分けられる
- 葬儀社への返事がばらつきやすい
- 挨拶の順番で当日迷いやすい
- 名前の書き方を決めないと準備が止まる
案内状や会葬礼状の名前はどう出す?
喪主が2人の時は、通知状や会葬礼状に二人の名前を並べるか、一人を喪主・もう一人を施主や親族として載せるかを決めます。文面は葬儀社の見本を見ながら決めると安心です。
名前の出し方で手が止まる、という方も多いですよね。通知状や会葬礼状(かいそうれいじょう)は、葬儀に来てくれた方へのお礼状で、喪主の名前が入ります。
| 形 | 名前の出し方の例 | 確かめたいこと |
|---|---|---|
| 共同喪主 | 二人の名前を喪主として並べる | どちらを先に書くか |
| 喪主と施主 | 一人を喪主、もう一人を施主として載せる | 肩書きの書き方を葬儀社に確認 |
| 喪主と実務担当 | 喪主一人の名前に、親族一同などを添える | 親族の範囲をどこまでにするか |
並べる順番は、故人との続柄や年齢の順にする家が多いようです。ただ、決まった書き方があるわけではありません。
葬儀社は、通知状や会葬礼状の文面の見本を持っていることがほとんどです。「喪主を二人にしたいのですが、どう書くのが一般的ですか」と聞いてみてください。
全互協は、香典の宛先は喪主だと説明しています。共同喪主の時は、受け取った香典の管理をどちらがするか、二人で決めておくと後で迷いません。
訃報を伝える時の言い方
親族や知人に電話で知らせる時も、喪主が誰かを聞かれることがあります。こんな言い方なら、すっきり伝わります。
「喪主は兄と私の二人で務めます。葬儀のことは私にご連絡ください」
連絡先を一人にまとめておくと、問い合わせが二人に分かれて混乱するのを防げます。
挨拶の分け方は?場面ごとの分担表
挨拶は、通夜・出棺・精進落としなど場面ごとに担当を分けるのがおすすめです。どの場面も、短い言葉で十分です。
『二人とも挨拶しないといけないの?』と心配になる方もいます。実は、場面ごとに一人ずつ話せば十分なんです。
全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)のQ&Aでは、遺族代表の挨拶は喪主か、その代理の親族がするとしています。参列者も遺族のつらさを察しているので、簡単なもので十分とも説明しています。

| 場面 | 担当の分け方の例 | ひとこと |
|---|---|---|
| 通夜の終わり | 年上の方、または故人と暮らした方 | 通夜振る舞いは喪主の挨拶で締めくくる |
| 出棺の挨拶 | 通夜で話さなかった方 | 霊柩車に棺を運び入れたあとに行う |
| 精進落とし | 開宴と閉宴で一人ずつ | 開宴と閉宴に喪主か遺族代表が挨拶する |
| 位牌と遺影 | 一人が位牌、もう一人が遺影 | 出棺では喪主が位牌、次の遺族が遺影を持つ |
| 焼香 | 二人並んで、または年上の方から | 焼香は喪主から始まる |
通夜振る舞い(つやぶるまい)は、通夜のあとに参列者をもてなす食事のことです。精進落とし(しょうじんおとし)は、火葬のあとに僧侶や手伝ってくれた人をねぎらう会食です。
出棺の挨拶の組み立て方
全互協は、出棺の挨拶のポイントとして、自己紹介、会葬と見送りへのお礼、生前の厚誼への感謝、今後の支援のお願い、の4つを挙げています。二人で務める時は、自己紹介で二人の関係を一言添えると伝わりやすくなります。
「本日はお忙しい中、父の葬儀にお集まりいただき、ありがとうございました。私は長男で、弟とともに喪主を務めております。生前に父が賜りましたご厚情に、心よりお礼申し上げます」
最後に「今後とも変わらぬお付き合いをお願いいたします」と添えれば、もう十分です。挨拶の例文は喪主の挨拶にもまとめています。
通夜の締めの挨拶の例
全互協は、通夜振る舞いは喪主の挨拶で締めくくると説明しています。二人で務める時は、通夜で話す方を先に決めておくと落ち着いて臨めます。
「本日はお忙しい中、母の通夜にお越しいただき、ありがとうございました。ささやかですが、お食事をご用意しております。どうぞ召し上がりながら、母の思い出話をお聞かせください」
明日の葬儀の時間を伝える一言を添えれば、それで十分です。もう一人は、そのあと参列者の席を回ってお礼を伝える役に回ると自然です。
挨拶をしない方の過ごし方
挨拶をしない方は、参列者のお見送りや、親族への声かけを担うと自然です。「お気をつけてお帰りください」と一言かけるだけでも、来てくれた方には気持ちが届きます。
当日になって「どっちが話す?」と迷うと、二人とも黙ってしまうことがあります。通夜の前に、場面ごとの担当を紙に書いて葬儀社の担当者にも渡しておきましょう。
二人で務める前に決めておきたいこと
喪主が二人の時は、窓口・お金・名前・挨拶の4つを先に決めておくと、当日の迷いがぐっと減ります。
二人で務めると負担は軽くなります。ただ、決めごとがあいまいなままだと、かえって手間が増えることも。
- 葬儀社との窓口をどちらにするか
- 費用の支払いと立て替えを誰がするか
- 香典と香典帳を誰が管理するか
- 通知状や会葬礼状の名前の出し方
- 通夜・出棺・精進落としの挨拶の担当
お金のことは早めに話しておく
葬儀費用を誰が払うかは、法律で「喪主が払う」と決まっているわけではありません。喪主や相続人の話し合いで決めることになります。
共同喪主の時は、とくに「どちらが立て替えて、後でどう分けるか」を先に話しておくと安心です。費用の考え方は喪主と葬儀費用で紹介しています。
全葬連が紹介している資料でも、葬儀社との打ち合わせや見積りの交渉は、責任の持てる家族2人以上で行うとよいとされています。二人で務める形は、この点でも心強いんです。
二人の意見が分かれた時
葬儀の規模や呼ぶ人の範囲で、二人の考えが分かれることもあります。そんな時は、故人の希望を思い出すところから話してみてください。
『どちらかが折れないと進まない』と感じた時は、決める人を項目ごとに分けるのも一つの方法です。
| 決めること | 決める人の分け方の例 |
|---|---|
| 葬儀の規模と日取り | 二人で相談。迷ったら故人の近くにいた方 |
| 祭壇や返礼品 | 窓口になっている方 |
| 呼ぶ人の範囲 | それぞれの付き合いを知っている方 |
| 挨拶の内容 | 話す本人 |
項目ごとに「この人が決める」と分けておくと、ひとつひとつの話し合いが短くすみます。
一人が遠方に住んでいる時
二人のうち一人が遠方に住んでいると、打ち合わせに同席できないことがあります。この場合は、近くに住む方を窓口にして、決まったことを電話やメッセージで共有しておきましょう。
遠方の方は、通夜や葬儀の当日に挨拶を担当するなど、当日の役目を受け持つと二人の負担が釣り合いやすくなります。
家族葬で二人で務める時
家族や親しい親族だけで送る家族葬でも、喪主を二人にしてかまいません。参列する人が少ないぶん、挨拶はごく短くてよく、席を回ってお礼を伝える時間を取りやすくなります。
『身内だけなのに挨拶なんて大げさかな』と思うかもしれません。ただ、来てくれた親族への一言のお礼は、少人数の式でもあると場が和みます。家族葬の進め方は家族葬・一日葬・密葬の喪主で紹介しています。
葬儀社には最初に「二人です」と伝える
打ち合わせの最初に、喪主を二人にしたいことを伝えておきましょう。会葬礼状の文面、席の並び、焼香の順番などを、最初から二人の形で準備してもらえます。
慌ただしい中で、名前の出し方や挨拶の段取りまで二人で決めるのは大変ですよね。段取りを任せられる葬儀社に早めに相談しておくと、二人の役割分担も一緒に考えてもらえます。
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喪主が2人の時によくある相談
喪主が二人の時は、「挨拶はそれぞれするのか」「喪主と施主が別にいるのは普通か」「姉妹のどちらがなるか」という相談がよく寄せられます。要約して、考え方をお伝えします。
相談1:喪主が二人いる時、挨拶はそれぞれするの?
葬儀で喪主が2人以上いる遺族を見かけたが、挨拶もそれぞれ行うのか、という相談です。
一人の場面で二人とも話す必要はありません。通夜は兄、出棺は弟というように、場面ごとに一人が代表して話す形がよく見られます。
一つの場面で二人が話す時は、一人が挨拶をして、もう一人は「本日はありがとうございました」と一言添えるくらいで十分です。
相談2:知人の葬儀で、喪主と施主の二人がいた
知人の葬儀に行ったら、喪主と施主が別々にいた。普通は喪主だけだと思っていたが、という相談です。
全互協の説明では、一般的な葬儀では喪主が施主を兼ねます。ただ、喪主を弔問を受ける代表、施主を費用や運営の責任者として分ける家もあります。
高齢の親を喪主にして、子が施主を務める時などに見られる形です。珍しいことではないので、参列する側は気にしなくて大丈夫です。
相談3:娘が二人、長女は嫁いでいる時の喪主は?
母が亡くなった時、娘が二人いて長女は嫁いでいる。どちらが喪主になるのか、という相談です。
全互協は、結婚して姓が変わっていても、故人の実の娘であれば喪主になってかまわないと説明しています。どちらが務めても問題ありません。
二人で共同喪主にする、長女を喪主にして次女が窓口を担う、などの形も選べます。母の近くに住んでいた方が窓口になると、手続きも進めやすいです。
相談4:姉が二人いる末っ子の長男。喪主は自分がするべき?
三人きょうだいの末っ子で、上に姉が二人いる。男は自分だけなので喪主をするべきか、という相談です。
一般的な順番では、配偶者の次が長男、その次が長女とされています。ただ、これはあくまで目安で、年齢や住まいの近さで決める家族も多いです。
『年下の自分が仕切っていいのかな』と気になるなら、姉と二人で共同喪主にする形もあります。長男が挨拶を受け持ち、姉が親族への連絡を受け持つなど、得意なことで分けてみてください。
| 相談 | 考え方の要点 |
|---|---|
| 挨拶はそれぞれ? | 場面ごとに一人が代表して話せばよい |
| 喪主と施主が別 | 代表と責任者を分ける形で、珍しくない |
| 娘が二人 | 姓が変わっても喪主になれる。二人で務めてもよい |
| 末っ子の長男 | 順番は目安。姉と共同喪主にする形もある |
兄弟姉妹で喪主を決める時の考え方は、親の葬儀の喪主は長男?でも紹介しています。
よくある質問
喪主が二人の時、骨上げはどうしますか?
全互協は、骨上げでは最後に喪主がのど仏を拾うと説明しています。二人の時は一緒に拾う、年上の方が拾うなど、地域や宗派で違うので係員や葬儀社に聞いてみてください。
喪主が二人の時、焼香はどちらが先ですか?
焼香は喪主から始まり、遺族、親族の順に進むのが一般的です。二人の時は年上の方から、または二人並んで行う形があり、葬儀社に相談して決めると安心です。
共同喪主にすると、相続で何か変わりますか?
変わりません。相続分は民法の決まりや遺言、遺産分割の話し合いで決まり、喪主かどうかは関係ありません。
喪主が2人の時、香典返しの名前はどうしますか?
全互協は、忌明け後の香典返しの掛け紙の下の方に喪主の名前を書くと説明しています。二人の時は並べるか代表一人にするかを、葬儀社や返礼品の店に相談して決めてみてください。
夫婦で喪主を務めることはできますか?
喪主の人数に決まりはないので、できます。故人の子とその配偶者が並ぶ形などもあり、地域や家の考え方で違うので葬儀社に確かめてみてください。
まとめ
- 喪主の人数に決まりはなく、喪主二人でもかまわない
- 形は共同喪主、喪主と施主、喪主と実務担当の3つ
- 通知状や会葬礼状の名前の出し方は葬儀社の見本を見て決める
- 挨拶は場面ごとに一人ずつ。短い言葉で十分
- 窓口・お金・香典の管理・挨拶の担当を先に決めておく
二人で務めることは、故人を一緒に見送りたいという気持ちの表れでもあります。役割を分け合って、無理のない形で送り出してあげてください。





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